南三陸町を慰霊行脚  其の1

 

 3月9日、日本臨床宗教師会副会長金田諦應師の呼びかけで、宮城県南三陸町で慰霊行脚が行われました。臨床宗教師関係者22名が南三陸町戸倉の海蔵寺に集合し、慰霊行脚して参りました。私と副住職も参加して参りました。

 

 集まった宗派宗教は、曹洞宗、日蓮宗、天台宗、高野山真言宗、真言宗御室派、真言宗醍醐寺派、真宗大谷派、天台真盛宗。キリスト教からは、日本基督教団、ルーテル教会、カトリックの神学者。なかなか多彩な顔触れでした。

 

 午後1時に海蔵寺様を出発する際に、主催者挨拶に続いて海蔵寺御住職と海蔵寺護持会長阿部様の挨拶がありました。

                         左 海蔵寺御住職     木村定信師

                             右 海蔵寺護持会会長  阿部壽男様

 

 我々一同は用意していただいたマイクロバスに乗り、海蔵寺からバスで5分ぐらいの谷合の集落にある震災慰霊碑に案内されました。阿部護持会長さんから慰霊碑についての説明がありました。

 

「この地域の南三陸町戸倉の中の西戸(さいど)地区と言います。この地区の住民は約250名、そのうちの42名が東日本大震災の津波で亡くなってします。ここは海に面していません。地震の後に、ここまで津波が来るとは思わず、避難しなかった者が犠牲となりました。私は家族と共に近くの高台に避難しましたが、避難した高台の3メートル下まで津波は到達しました。家は完全に水没しました。地域のみんなで協力し合って、犠牲者を慰霊し、二度と犠牲者を出さないという祈りを込めて、慰霊碑を建立しました。」

 

 

私の知る限り、この地区のことは今まで新聞やテレビで報道されたことは無かった。私が気が付かなかっただけとしても、同じ南三陸町の防災対策庁舎の被災報道に比べれば、この地区の被災はあまり知られていない。一つ一つの地域に震災被害があり、悲しみと悔恨がある。そのことを改めに教えていただきました。

 

  説明を聞いた後、「浄土系」「キリスト教系」「曹洞宗・日蓮宗・真言宗・天台宗」で慰霊のための祈りを捧げさせていただきました。

 

この日の慰霊行脚のことは、3月10日の毎日新聞宮城版に載っていました。

 

「東日本大震災 犠牲者を追悼 宗教者が行脚 南三陸 /宮城  

毎日新聞 2021/3/10 地方版 

 

 東日本大震災で大きな被害が出た南三陸町で9日、犠牲者を慰霊する追悼行脚が実施され、各宗教・宗派の宗教者が海や慰霊碑、震災遺構に向かって祈りをささげた。

 追悼行脚は、被災者の悩みを聞く傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」を開いてきた通大寺(栗原市)の金田諦応住職(64)が震災の「四十九日」から不定期に開催している。

 

 心のケアを行う「臨床宗教師」の資格を持つ宗教者らに呼びかけ、県内外の仏教の僧侶やキリスト教の牧師、修験道の山伏など21人が参加。町の内陸部に位置し、震災直後には遺体が次々と運ばれた海蔵寺を出発し、同町戸倉地区の慰霊碑や防潮堤、志津川地区の南三陸町防災対策庁舎などを巡った。 金田さんは「同じ時代に生まれた者として、これからも被災地の人々と向き合っていきたい」と話した。【滝沢一誠】

東日本大震災:犠牲者を追悼 宗教者が行脚 南三陸 /宮城 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

https://mainichi.jp/articles/20210310/ddl/k04/040/030000c

(ネット版は、有料記事です。)

 

 

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