開花を待ちわびる心情
1、花に一喜一憂する
毎年3月から4月にかけて、桜の季節になると思いだされる和歌があります。
世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし 在原業平
春はのどかな季節であるのに、我々は、桜のつぼみが膨らんだ、桜が開花した、五分咲だ、満開だ、散り始めた、と気になり落ち着きません。桜があるために人々の心は穏やかでない。それだけ、人々に愛されており、人の心を騒ぎ立てる力のある樹木なのである。そういう晴らしさを伝えようとしている和歌です。
桜の季節は終わりましたが、別の木を3月から、いや3年前から眺めて、気をもんでおります。
ブラジルの代表的なイペーの苗木が当寺の境内に植えられて間もなく丸3年になります。
南米原産の木ですから、あまり寒さには強いとは言えません。日本でも、ブラジル移民の親族からブラジルから種を送ってもらったり、日本に帰国する際に種を持ち帰って植えたものが九州・四国・沖縄には結構あるようです。それより寒い日本の地域では、雪や地面凍結が原因で、イペーの木が枯死する場合が多いのです。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190822/16/dorinji/f2/f2/j/o0290039814547021801.jpg?caw=800)
神戸市 海外移住センターの庭に咲くイペー
2、北限のイペー
2016年6月4日、洞林寺の境内にイペーの苗木が植えられてから、間もなく丸3年になります。関東では、神奈川、千葉、東京、群馬、茨城でイペーの木が植えられています。東北では、おそらく仙台の洞林寺のイペーだけだと思います。北海道で飢えているところはありますが、温室栽培だそうです。自然の状態で生育されているイペーとしては、北限の木らしいです。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190822/16/dorinji/10/6d/j/o0261043814547021808.jpg?caw=800)
2016年6月4日に植えた時の苗木。樹高は60センチメートルぐらい。
1年間で樹高は、2メートルぐらいに伸びました。2年目の写真の写真は撮っていなかったようです。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190822/16/dorinji/9f/c3/j/o1642163914547021816.jpg?caw=800)
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190822/16/dorinji/03/33/j/o1555207414547021824.jpg?caw=800)
2018年5月25日撮影。樹高は2メートル50センチぐらいだと思います。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190822/16/dorinji/52/09/j/o1555207414547021834.jpg?caw=800)
暖かい地方のイペーは、早ければ発芽から2年、遅くても3年で開花するようです。東北は寒冷地ですが、苗木を植えて3回の冬を越しました。今年の3月は割と温暖でしたので、木の枝先の芽も昨年一昨年よりも早く出ました。
「これは、花蕾かな?だいぶ膨らんできたな。」
「そろそろ花が咲いてもいい頃じゃないかな。」
「ここから花が咲きそうだと思ったけど、葉っぱが開いただけだ。」と3月頃からやきもきしております。
これらの経過の写真は、次の記事に載せます。