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日々折々  鶴岡 善宝寺 、人面魚の復活

 平成19年4月、妻子供と羽黒山を参拝した翌日、善宝寺を参拝しました。龍神を祀るお寺として有名です。また、修行僧を養成する、曹洞宗の専門僧堂でもあります。東北にある曹洞宗寺院の中でも、名刹中の名刹と言えるでしょう。現在の御住職斎藤信義老師は大本山総持寺の副貫主でおられます。私が総持寺に安居していた当時は監院をお勤めでした。

 かっては、東日本の漁業関係者の大半が善宝寺を参拝し、豊漁と操業安全の祈祷をしてもらっていたそうです。

 「してもらっていたそうです」と言うのは、残念ながら過去のことになってしまっているからです。二百海里規制が始まり、領海問題や資源問題等に伴い、残念ながら日本の漁業は衰退低迷しています。そのかわり交通安全や健康や商売の祈祷に重きが置かれるようになってきたそうです。
この話は、以前学生の頃駒澤大学の佐藤憲昭教授からうかがったことです。

佐藤教授が昭和50年頃釜石市の檀信徒の意識調査を行った際には、多くの漁業関係者から善宝寺でご祈祷してもらうという話を聞かされたそうです。ところが200海里問題以降、漁業がかなり衰退し祈祷を依頼する人の数がかなり減少したとのことでした。そして、新潟の占い師さんとその信者さんたちのグループ(講)が善宝寺の講中で大きな位置を占めるようになってきたのだそうです。そして、これらの講の方々は善宝寺参拝の折り、必ずもう1箇所立ち寄る場所があります。「貝喰みの池(かいばみのいけ)という池に立ち寄るのだそうです。この池の奥には、龍王龍女を祀る奥の院があります。

この池が全国的に有名になったことがあります。人面魚のいる池としてです。今から15年位前、平成4年か5年ごろだと思います。人面魚が評判になっていた当時、教区の曹洞宗青年会で月山湯殿山を参拝し、その翌日善宝寺を参拝したことがありました。本堂や龍王殿を参拝する人はまばらでしたが、池は人面魚を見物する人で賑わっていました。臨時のみやげ物店なども出ていました。寺の門前にある土産物店では「人面魚饅頭」なるものを売っていました。普通の饅頭に「人面魚」の顔を刻印したものでした。私も馬鹿ですから、話のタネにとそれを買ってきました。
肝心の人面魚ですが、見てみたら「なあーんだ。」と思わず声が出ました。私の実家の寺でも池で鯉を飼っていますが、昔から見慣れている鯉が「貝喰みの池」にもいました。こういう種類の顔の鯉なのですから、別に大騒ぎをするほどのこともないと思いました。そのうちブームも下火になるだろうと思っていたら、案の定下火になりました。

  数年前に、テレビのワイドショーかバラエテイ番組で「人面魚」がどうなっているかという取材したら、餌のやりすぎで死んでしまったとリポートしていました。



今回、行って見たら、人面魚が復活していました。

というよりも、新たに鯉が放流されていましたというのが正しいのでしょう。人面魚は復活しましたが、残念ながらかつての賑わいはありませんでした。



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