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日々折々  秋吉敏子さんのピアノソロコンサートへ行って来ました


 一昨日(2月27日)、東北福祉大学けやきホールでの秋吉敏子さんのピアノソロコンサートに行って来ました。駒沢大学宮城同窓会と東北福祉大学同窓会の共同開催によるチャリテイーコンサートとのことです。前日の26日には気仙沼でもコンサートが開催されており、26日27日ともに気仙沼の海蔵寺御住職大場文隆師がプロモーター役をなさったようです。チャリテーコンサートの収益金は、宮城県曹洞宗青年会が長年取組んでいる「カンボジアへの教育支援ボランテイア活動」へも寄贈されるとのことでした。そういう関係で、知っている顔ぶれも大勢来ていましたし、カンボジアへの学校建設活動の為の募金も呼びかけていました。当然、私の財布からも「夏目漱石」さんが何枚か移動していきました。

 秋吉敏子と言えば、日本が世界に誇るジャズプレイヤーであり作曲家編曲家です。1999年には「国際ジャズ名声の殿堂」入り、今年1月にはジャズの世界での最高の名誉といわれるジャズマスターを受賞している。16歳でプロデビューし、26歳で渡米。以来50年以上にわたって多くの名盤を世に出し、名演を重ねてきている。その名声なるが故に、チケットは早々にソールドアウト。会場は満員でした。

 正直、いかに秋吉敏子といえども、ピアノソロだと途中で退屈しないかなあと思っていました。私の好みとしては、ソロよりもカルテットやクインテットで各プレーヤーが掛け合いをしていくのがジャズの一番ジャズらしいところだと思っています。せめてベースやドラムのいるトリオ編成ならいいのになあ、と思っていました。しかし、そういう私の思いは甚だ不遜なものでした。77歳という年齢を感じさせないエネルギッシュな演奏とパワーが客席の方にも伝わってきました。2時間という時間がアッという間に過ぎてしまいました。
 昔からジャズは好きで、結構聞いていますが、解説できるほどの耳と知識は無いので、詳しいコメントは致しません。出来ません。

 いつもコンサートの最後に演奏しているという曲「hope」についての説明には感銘を受けました。最近のコンサートの最後にhopeという曲を演奏しているそうです。(後でチラシを見たら、9.11同時多発テロ事件以降のことだそうです。)広島の中川住職という方にに依頼され、Hiroshima: Rising From the Abyssという曲を作ったのだそうです。秋吉さんは広島の中川住職から原爆の惨状を記録した写真集を渡され、広島をテーマにした曲を依頼されたそうです。重すぎる。自分にはとても曲は書けない。断ろうと思ったそうです。預かった写真集をめくっていくうちに、焼け跡の中から顔を出し、見上げている子供の写真があったそうです。その子供の微笑んでいる顔がとても素晴らしく、これなら広島をテーマに曲を作れると思ったそうです。そして、三楽章からなるHiroshima: Rising From the Abyssを作曲し、第三楽章に付けた題名がhopeなのだそうです。人間、明日への希望が無ければ生きていけない。the Abyss(奈落の底)から立ち上がって行く為には、希望が必要だ、という思いを込めた作品です。演奏家として常に努力し続ける姿勢にも感服しましたが、ミュージシャンとして平和を訴えたい、平和に貢献したい、その決意と行動からも多くのことを学ばせていただきました。




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