新5年生に入り、チーム運営面はどんどん複雑さを増してきました。

 

4年までは学年ごとに独立した運営をしていて、上手い子何人かが上の学年に飛び級するという運営でしたので、基本は自学年の運営を中心にしつつ、他学年を手伝うという形でしたので、自学年を最優先に考えればよかったという事情はあります。監督・テクニカルコーチは高学年中心でしたので、4年までの活動は私ともう1人のコーチで実質決められ、保護者とも丁寧にコミュニケーションしながら、「4年」という学年をどのように発展させていくか、ということを考え進めてきました。保護者からもかなり信頼を頂いていたと思います。

 

他方、新5年に入ると、新5年・新6年が一体運営になりますし、監督・テクニカルコーチや新6年コーチも存在し、関係者が増えてきます。加えて、サッカーに向き合う姿勢についてもメンバーによって変わってきますし、試合に出たい・活躍したいという自我や、新6年生はジュニアユース以降の進路も考え始める頃となり、様々な思惑が交錯するようになっています。子供達自身も、チーム内の位置づけのみならず、トレセン加入状況や、加入トレセンのレベル(区・ブロック・地域等)、J下部アドバンスへの加入等々、チーム外の活動領域が広がり、メンバーごとの差が大きくなっています。単にチームが勝つということのみならず、個人として如何にレベルを高めチーム内外から評価されるか、という軸も出てきて、チーム外での評価や活動を重視するような子もいます。新6年生は顕著ですが、新5年生でも差が出始めていますね。私が意識し過ぎなのかもしれませんが、4年まではチームとして一つの目標に向かい、一体感をもって運営できてきましたが、新5年・新6年一体運営になるとこんな雰囲気が違うのかと実感しています。新6年生には自我が強い子が多いという事情もあるとは思われ、新6年生の自我の強さによって以前書いたような問題行為が起きたりしています。この問題は今後も継続的に起きる気はしており、頭が痛い課題です。

 

そして、新6年生の保護者の中にも様々な方がいて、コーチに接触し、何か良い情報を引き出したり、我が子をアピールするような動きをする方もいるな・・と思います。指導者側にいると、そうした思惑があるかは何となくわかることは多いですし、私は共有すべき情報は(特定の人物が共有するのではなく)全体共有し、特定の方を優先したりはしないので、丁寧かつ淡々と対応しています。

 

複雑ではあるのですが、組織である以上、様々な思惑が交錯するのは当然です。そして組織に所属する個人ごとに目的や思いが違うのも当然です。会社に比べるとそこまで大したことは無いとも思います。私は会社ではそこそこの規模の組織を率いる立場にいますが、組織に所属するメンバーの年齢構成は様々で、スキルや意欲、仕事の能力やキャリアの考え方に違いもあります。組織運営の複雑さでいうと会社の方が明らかに大変ではあります。

 

ただ、会社の場合は、一定の節度ある(良識ある)人間が多いこと、各人ごとの差が大きいこと(全員が一致することが無いこと)、領域が広いことから、無理に全員を1つに纏める必要もなく(纏めるべきではなく)、組織として向かうべき方向性がある程度のレベルで一致していればよいことになります。なので差は大きくても、その差を無理に埋める必要はなく、あまり衝突せずに動くことができます。

 

他方、サッカーチームの場合は、各人ごとにサッカーに向き合う姿勢、レベル等に違いはあるとしても、サッカーがメインの領域であり、このサッカーの領域でどうしても衝突は避けられないことになります。会社でできるような差の存在や思惑が交錯することに目を瞑りながら運営するということができず、各人の思惑が交錯すると、何かと衝突が避けられないです。高学年になると差が大きくなってくるので衝突する頻度や衝突した場合のハレーションが大きくなる、ということかなと思います。

 

抽象的な表現も多いですが、高学年の組織運営の難しさを思うままに書いてみました。まさに思惑が交錯する、ですね。