様々なチームと接している中で、コーチの形態も色々な種類があるなと感じます。

 

ジュニアサッカーチームで、チームの監督・コーチとしての収入だけで生計を立てている人は少ないと思います(いるにはいます)。クラブチームの監督・コーチも、平日は別の仕事している人が多いですね。仮に月謝が月15,000円で入会者が100名いるとしても、収入は月150万円ですが、そこから様々な経費を引くと、監督・コーチの給料に充てられる額は限らていますし、100名もいるクラブで指導者は複数必要なので(コアとなる指導者は低学年・中学年・高学年で少なくとも各1人は必要)、一人当たりでいうと、それだけで都市圏で生活できる程の水準には中々ならないと思います。土日はほぼチーム活動で忙殺されるので、平日に3~4日間くらい比較的時間の融通の利きやすい仕事している方は多いようです。加えて、このようなチームでも、給料をもらっている監督・チームだけでは回らない(指導は当然として公式戦で審判が複数必要など)ので、保護者コーチやボランティアのコーチに頼ることが必要であったりしますね。なお、東京都で4種(ジュニア)登録チームは約800名、選手数は約40,000名で、単純平均で1チームあたり50名ですので、100名も選手がいるチームは、人数がかなり多いことになります。

 

上記はいわゆるクラブチームでそれなりに月謝を取っている場合ですが、月謝で月3000円くらいのチームの場合(いわゆるスポーツ少年団)、そもそも指導者に対する報酬を支払うことが難しいと思います。そうしたチームは、保護者コーチ(パパコーチ)にお願いする、外部コーチを雇う場合でも無報酬か謝礼レベルの金額が前提になります。外部コーチも、サッカー好きや地域に貢献するのが好きで、土日の趣味の一環として指導している人も多いですね。最初は保護者コーチで入ったものの、子供が卒団した後も残ってコーチをしている方もいます。

 

改めて考えてみると、ジュニアサッカーチームはクラブチームだろうが少年団だろうが、ボランティアの存在なしに成り立たない、とても危うい組織なのかなと感じます。指導者に対してそれなりの額の報酬が支払われるのであればなり手は多いでしょうが、支払えたしてもそれだけで生活できるような収入にならないので、どのチームでもボランティアが相当数関わることが前提となります。それでもこれだけのチームが成り立っているということは、ボランティアでも何でも関わる意義や遣り甲斐を感じている方が多いということの裏返しになりますが、逆にこの遣り甲斐というものは、チームの人間関係やコアメンバーの離脱で脆く崩れることもあると思いますし、ボランティアコーチですので本業の都合でやめざるを得ないということも多いです。次回このあたりを少し掘り下げてみます。