先週末のチーム練習では、時間をかけて1対1に取り組みました。
5月から夏休みにかけてTRMを続ける中で、攻撃はフェイントを使う子が少ない、守備は相手と距離を開けすぎたり攻撃側が仕掛ける前に飛び込んで抜かれてしまう子が見られました。そのため、1対1を組み入れて、攻撃はフェイント、守備側は立ち位置を確認させるようにしました。
1対1の練習は賛否があり、試合で1対1となる場面自体がそもそも少ないこと、パスするという選択肢が無いので守備側が守り易いこと(ドリブルに備えればよい)になります。そのため、1対1練習は実践的でないという意見もありますが、私としては、攻撃側は良いフェイントを見せないと抜けないですし、守備側は立ち位置と飛び込まない動きを徹底できるので、結構意味あるかなと思っています。特に守備は立ち位置の悪さと飛び出す癖が抜けない子が多いので、正しい動きを身に着けさせる良い機会と思います。
今回はA・Bチームに分けずに混成で行いましたが、やはり差が激しいと感じます。
攻撃面はフェイントができない子(又は小さくシザースするだけでフェイントになっていない)は、とにかくスピードで無理に抜こうとするだけだったり、ボールもらったらすぐにシュートを打つだけになります。相手の動きを見ずに無理にプレーするだけなので、中々安定して抜けません。
また、守備面はどうしても距離を離してしまったり、無理にボールに行ってしまう子が多いですね。特に試合でトップなど前線で出場する機会が多い子は、追いかけ回すディフェンスしかしてないので1対1で正対するディフェンスに慣れておらず、ボールを取りに行ってしまう癖がついていますね。
強い子の特徴は、攻撃面では、ボールコントロールを活かして、大げさなフェイントを入れて、ディフェンスが釣られるのを待てる子ですね。フェイントに引っかからなかったら、半身やディフェンスに背を向けてボールを背負ってからもターンの際にフェイントを入れて抜きにかかったりします。ディフェンスの動きをよく観察していることや、確かなボールコントロール力があるので、自分の型がある。そして、緩急も意識して、急にスピードを上げたり落としたりしながら、ディフェンス側の体勢が崩れるのを待つ形です。
そして守備面で上手い子は「後出しジャンケン」であること。とにかく攻撃が仕掛けるのを待ち、動いてボールを離した瞬間に体を入れたり当てててボールを奪いに行きます。守備が先に動くと攻撃側は楽なので(逆突けば抜けるので)、とにかく動かず攻撃が動くのを待つ形です。これは試合でも重要で、少しでも攻撃の動きを遅らせると、その間に味方が戻ってくることもできます。子供の足でも1秒あれば7~8メートルは詰めることができます。なので無理に取りに行かずにボールの動きを0.5秒でも1秒でも止めることが重要だと思っています。
こうして見てると1対1は奥が深いですね。攻撃側は、力任せにスピードだけでの無理なプレーでは抜けなかったり、フェイントも守備側が釣られているか見ずに自分が思うままのプレーをしていると抜けません。確かなボールコントロール技術を土台として、フェイントを使い、守備側の釣られ状況をみながら最善手を取り、無理にいかずボールキープするなどが求められます。そして、得意なフェイント型を持つことも重要ですね。
守備側は、無理にボールを取りに飛び出さず、適度な距離を保って相手を遅らせるプレーをし、相手が動いた瞬間を狙いにいくこと。実戦を意識すると、抜かれずに相手の動きを少しでも止めることを意識すること。
1対1は、実戦を意識しながら個人スキルを磨くことに繋がりますね。継続的に取り入れていきたいと思います。