そうだ。加賀温泉に行こう。
と、衝動が湧き上がったわけではありませんが、昨日の夜にいきなり北陸に行く用事が出来ました。
というのも、小松で一人暮らしをしている父方の祖父が入院した（幸い、命に関わる病気では無い）とのことで、手続き上親族の同意が必要であったために父の付き添いをする必要があったからです。
長いこと顔も見せていなかったので、面会時間が限られてはいましたが元気なうちに会いに行くことにしました。
なので、温泉地に行ったわけですが今回は何もせずにすぐに帰ってます。
昨日の今日で偶然乗り込むことになったサンダーバード。
かつては大阪から富山を結んでいた長距離特急も北陸新幹線の延伸によって今年の3月16日からは敦賀が終点となってしまいます。
目を見張るのはその速度。100km/h以上を常にキープして走行します。
最も停車駅が少ないパターンであれば表定速度は伊那路の倍の100km/hオーバー。在来線でこの速度を叩き出せるのはサンダーバードのみとなっています。
サンダーバードの高速走行に貢献する湖西線。琵琶湖を東に眺めながら、踏切のない高架線を全力疾走。天気はよくありませんでしたが、西国三十三所の札所のひとつ、竹生島を撮らえることが出来ました。
敦賀の手前では鳩原ループ線。写真は帰りに撮影しましたが車窓から見えているのが金沢方面の下り線です。
撮影した大阪方面の上り線は勾配緩和のため大きな円を描いています。
新幹線開業を目前に控えた敦賀駅に到着。サンダーバードとしらさぎが入線する乗り換えホームに続く線路も確認出来ました。
帰りには金沢方面から回送されてきたW7系にも遭遇。防音壁越しで姿が確認できませんでしたが、回送途中の列車にも何度か遭遇し、開業に向けてのかなりの頻度で試運転が実施されていることを伺わせます。
サンダーバードは武生、鯖江、福井と停車して芦原温泉を経て目的地の加賀温泉駅へ。
この駅は元々、大聖寺と動橋の二大特急停車駅の中間に位置する作見というなんの変哲もない駅でしたが、この付近に点在する温泉地へ向かう拠点として、優等列車の停車駅を1箇所に集約する際に隣接する2駅が激しく争った結果、まさに「間をとる」形で両駅から優等列車の停車権を奪い取り現在の駅名に改名された漁夫の利を体現するような経歴を辿っています。今ではご覧の通り、北陸新幹線の停車駅。信号場から始まってこれほど出世を遂げた駅はそうないでしょう。
新幹線の乗降口は春とともにやってくる観光客を待ちわびていました。乗り場案内の隣には並行在来線となった区間の経営を引き継ぐ第三セクターIRいしかわ鉄道の案内も。
春から大きな変化を迎える北陸の大動脈。これからは敦賀でその役割を終えるサンダーバードでこの区間を走るのはこれが最後になるでしょう。
急な用事ではありましたが、関西と北陸を長い間結んできた日本屈指の特急列車を堪能することができて良かったです。