
来客予定がキャンセルになったので・・・
せっかく空いた時間

帯より引用・・・
ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、大人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説!
まずは一回読んで、心に響いたフレーズ、箇所を忘れないように書き留めておこうっと

「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、厳しく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」
「原民喜がこんな文体に憧れている、と書いているのですが、しびれました。私の理想とする音をそのまま表してくれてると感じました」
「羊のハンマーが鋼の弦を叩く。それが音楽になる」
「翌朝早く、森を歩いた。下草を踏み、エゾマツの赤茶けた幹を撫でる・・・・・・・・・。
知っていた。知っている。叫び出したくなるような気分だった。エゾマツの鳴らす音、僕は知っている。だからなつかしいのか。だから魅かれたのか。
ピアノの原風景を、僕はずっと知っていたのだった。最初の楽器は、森で生まれたのかもしれない。」
「外村くん、ピアノのタッチって、わかる?けんばんの軽さや重さみたいに思ってない?ほんとうはそんな簡単なものじゃない。鍵盤を指で叩くと、連動してハンマーが弦を打つ。その感触のことなんだよね。ピアニストは鍵盤を鳴らすんじゃない。弦を鳴らすんだ。自分の指先がハンマーにつながっていて、それが弦を鳴らすのを直に感じながら弾くことがかできる。・・・」
「ピアニストが思っていることが全部音色に出るんだ。逆に言えば、ピアニストの中にない音は弾けない。ピアニストの技量がはっきり出るってこと」
こんな感じ

その時、あ!ここ

とおもったところに付箋を貼っておいたのだけれど、今は書き写してみると、またちょっと違う点に目が行く

その時々で感じるところが違ってくる、見える景色が違ってくる
読み返しながら自分の気持ちを面白がり、楽しんでみた。
ふたごのそれぞれの心情で弾いている曲名を明記しない点も想像、妄想が膨らむなぁ

