マインドフルネスとは、
『今、この瞬間』を
大切にする生き方
を指します
マインドフルネスの実践により、ストレス軽減や集中力の強化などの効果が得られるとされることから、21世紀に入り世界中で大きな注目を集めています。
マインドフルネスが世界中に普及するきっかけとなったのは、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)博士が、のちの章で紹介する「マインドフルネス瞑想」を医療分野に最初に取り入れ、
慢性の痛みとの共存を目的としたプログラム「マインドフルネスストレス低減法」を開発したことです。
マインドフルネス瞑想は仏教の瞑想法を取り入れて生まれたものですが、宗教色を一切廃しているため、誰でも抵抗なく実践できることです。
「マインドフルネス」という言葉の意味
「マインドフルネス(mindfulness)」という言葉は、仏教の経典で使われている古代インドの言語の「サティ(sati)」という言葉の英語訳としてあてられたもので、「心をとどめておくこと」あるいは「気づき」などと訳されます。
英語には、「気づかう」「心配りをする」という意味の「マインドフル(mindful)」という形容詞があります。
マインドフルネスの概念では
マインドフルネとは
「『良い・悪い』などの価値判断をすることなく、完全に『今この瞬間』に注意を向けている心の状態」
を指します
マインドフルネスを構成する2つの重要な要素
マインドフルネスについては、多くの人がさまざまな定義を提唱しています。しかしそれらには、共通する以下の2つの要素があるといわれています。
1️⃣判断をしない
自分の今の状態がどのようなものであっても、評価や判断を一切せず、完全に受け入れる気持ちでその状態をありのままに観察します。
私たちは普段、自分の状態や出来事を「良い・悪い」または「好き・嫌い」などの判断に基づいて評価しがちです。この結果、客観的な視点を持つことが難しくなり、不安や偏見などの感情にかられて機械的に反応してしまうことも少なくありません。
自分の今の状態を判断せずに受け入れ、ありのままでいることができるようになると、出来事や自分の状態をはっきりと見ることができるようになり、適切に対応できるようになると考えられています。
2️⃣「今この瞬間」に意識を向ける
マインドフルネスの概念では、私たちは普段、身の周りの出来事などに対して自動的に反応したり、過去や未来のことを考えたりして、多くの注意力を浪費していると考えます。
「今この瞬間」に意識を向けると、外部の出来事に気をとられなくなるため心が穏やかになり、洞察力が高まるとされます。また、浪費していた注意力を集めて利用することにより、以前なら不安や恐怖に襲われていた状況においても、より冷静に対処できるようになると考えられています。