2016年11月06日
ある日の事、突然、あすなひろしさんの、広島に住むお姉さんから、私の自宅に電話がかかってきました。
「あすなの原稿をね、回収したいの」と、いうものだった。
独りで、各出版社を訪ねるというのだ。
コレは、広い東京で、しかも、出版社という特殊な雰囲気のところを、お姉さん一人では行かせられないと思った。
「お姉さん、私も同行させてください」
こうして、2003年８月28~29日に、当時65歳のお姉さんと、10歳年下の私は、暑い真夏の中を、珍道中で歩き回った。
……記録は、お姉さんが今も持っていらっしゃる事を、お電話で再確認して、驚いた。
お姉さんが凄くて驚いた事は、事前に、各社へメールで連絡してあった事だ。
しかも、先々行く予定の各出版社の、具体的な地図と連絡先、回収する原稿のリストまで持参していらっしゃった。
ばっちりパソコンでデーター処理して、資料もプリントしてあった。
…コレは、あすな作品に超詳しい、小松どどさんが作品リスト資料を提供したらしい。
しかも、お姉さんは、お礼として、各社への、菓子折りまで用意されておられた。
訪ねる先々の出版社の編集者たちは、みなさん偉くなられていた(笑)
最初は、飯田橋の、潮出版へ行った。
ちゃんと原稿は用意されてあり、足りない原稿は、必ず探して、送っていただけると言われた。
……実際、足りない原稿は、戻った。
その際、元担当者だった編集者達からは、あすなさんが執筆当時のエピソードを、たくさんお話しして頂いた。
どれも、初めて聞く話ばかりで、2人して、元担当者達のお話しに、深く聞き入っていた。
しかも、元担当者達からは、お姉さんと2人して、しっかりランチまでご馳走になった(´▽｀)
その後、潮出版に近い、秋田書店へ回った。
対応に、久しぶりにお会いした神永さんが現れた。
これも原稿がほとんど用意されてあり、足りないのは、必ず送って下さると言われ、後日、原稿は、お姉さんの元に戻った。
どうも、神永さん自ら、倉庫に探しに行かれたようだ。
偉い! さすがは、私の元編集長!!
集英社は、本社じゃなく、同じ神田神保町でも、別館にあった。
あまりにも、旧くて膨大なあすな作品のリストに、関係者各位、大いに困惑された様子だった。
結果、原稿は、一切、行方不明だった(:_;)
後日、あすなさんの個展が開かれたとき、集英社から、大きな花飾りが届いたそうだ。
個展の開催中、集英社のお偉い編集達が、誠意を尽くして、入れ代わり立ち代わり、訪ねてきてくださったそうだ。
「集英社さんの誠意は、私に通じたから、悪く思わないようにしているの」
……これは、先日、お姉さんから、お電話で伺った応えだった。
小学館では、原稿は、やはり探します、ということだったと記憶している。……憶えていない(:_;)
別の日、小学館へ私が訪ねたら、編集の方が、個人的に好きで、昔から集めていたという、あすなさん作品の表紙や雑誌の切り取った作品をドサッとまとめて、
ご実家から持参して頂いた。
これは、私があすなひろし選集を、編集をしている最中だったので、お姉さんに届けるより、選集の全体管理をしているT氏へ預けた。
……もしかして、現在、お姉さんには届いてなくて、彼が未だに所有しているかもしれない……心配(:_;)
少年画報社と日本文芸社には、神保町から、お姉さんと2人して、水道橋までテクテクと歩いて行った。
年齢のいったお姉さんの丁寧な、原稿返却依頼に対する態度に、二社とも大いに困惑しているのが判った。
いずれも、後日、お姉さんの元へ、送付返却して頂いた。
IT関係で、元秋田書店の編集者のいる何とか社？ これは、何で行ったのか忘れたが、菓子折りを持参したお姉さんに対して、イー加減な態度で応対された。
お姉さんが低姿勢でいらっしゃったから、私は、スゲー我慢したが、コレに関して、傲慢な奴らだと、今でも怒っている(怒)
講談社は……行ったんですが、丁寧な応対をしていただきましたが、原稿(・・?…忘れました(:_;)
後日、私の持っていた、手許にあるだけの、あすなひろし選集を贈ったところ、資料室に置きますと、丁寧なお返事をいただきました。
当時の夏の事は、お姉さんも良く覚えていらっしゃって、
「暑かったわね。途中で寄った、喫茶店の冷たい飲み物が美味しかったわ」
……と、先日のお電話でお話ししていらっしゃった。
あの夏の、お姉さんとご一緒した、２日間の出来事は、あすなさん大好きの私にとって、宝のような思い出だ♡
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