好きな本の紹介6 | コジコジハルのクロノスゲーム

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主に自作の逃走中を載せています。

 
 
 
「身代わり」西澤保彦著
 
 
 

 

 

 
 
 
匠千暁シリーズ長編第6弾で現時点で最後に発売された長編作品。前作の「依存」の後日談にあたるので必ず「依存」を読むようにしてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大まかなあらすじ
 
祐輔は大学の学生と共に飲み会を開いていた。その翌日その飲み会に参加した学生の一人が女性を襲って返り討ちにあい死亡したという事件を聞かされる。だが祐輔の中に事件に対する疑問が浮かび上がる。
同じころ女子高生が自宅で殺害され巡回に来ていた警官も巻き込まれる事件が発生。だがこの事件に不可思議な疑問が次々と浮かび上がる。
 
 
 
 
 
感想(ややネタバレあり)
 
一言で表すならそうやってつながるのかといった印象でした。今作は大学生が包丁で女性を襲ったところ返り討ちにあい死亡する事件と女子高生と警官の殺人事件という一見してかかわりがなさそうな事件が同時進行で起こっていますが当然全く無関係というわけじゃなかった話です。どちらも事件も普通の事件にしては違和感が残っています。大学生の事件では大学生が夜中に所持金なしで直接現場にも関わらずどうやって包丁を入手したのかという点。女子高生と警官の事件では死亡推定時刻に大きな差がありなぜ犯人は時間がたって再び現場に戻ったのかという点がきっかけでどちらの事件も単純な事件から不可解な事件へと変貌していきます。その裏には2つの事件をつなぐある都市伝説が関わっています。犯人をピンポイントで当てるのは難しいのでまずはどのようにして2つの事件がつながっているのかを考えた方がいいのかもしれません。
そして今作は依存の後日談ということで千暁と千帆はほとんど登場せず終盤にかけてようやく事件にかかわる展開になっています。前作ではあまり出番が多くなかった祐輔視点で依存での出来事を振り返る場面がありますが祐輔的にはいろいろと思うところがあったのだろうと感じました。
 
 
 
 
 
 
登場人物紹介
 
 
 
七瀬
 
安槻署に所属する刑事。中世的な顔立ちでアスリートタイプの女性刑事で「仔羊たちの聖夜」でもちらっと祐輔たちと関わっていたが今回の事件で祐輔に事情聴取をしたところ祐輔といろいろと関わることになる。祐輔から好意を持たれることになるがむさくるしい男は好みでないといい相手にしていない。
 
 
 
 
平塚総一郎
 
安槻署に所属する刑事。若手の刑事で時々捜査会議の時に突拍子もない仮説を立てたり関係ない質問をしたりするなどやや変わった性格をしている。実家はかなり裕福なほうでありお坊ちゃま育ちでやや世間知らずなところがある。だが彼の突拍子もない仮説や質問が意外と役に立つことがある。