「麦酒の家の冒険」西澤保彦著
「彼女が死んだ夜」に続き匠千暁シリーズの長編第2段。前作の軽いネタバレが含んでいるので先に必ず「彼女が死んだ夜」を呼んだ方がいい作品です。
大まかなあらすじ
千暁たち4人の大学生はR高原での旅行の帰り車の立ち往生に会う。
一休みできる場所を捜していると無人の別荘らしき建物を発見。
そこはベッド1個と大量の缶ビールが入った冷蔵庫があるのみの不可思議な場所だった。
果たしてこの建物は何のためにあるものなのか?
感想(ネタバレなし)
一言でいうとなると酒1つでよくここまで会話が成立するなという印象です。
前作で匠千暁シリーズは酒を飲みながら様々な推理をしていくといいましたがこれが真骨頂な作品だと思います。
大量のビールとベッドが置いてある屋敷からなぜ誰がどのような目的でといったことを4人で話し合う形式になっているのだがよくもまあ次から次へといろいろの仮説を思い浮かべるなと思わず感心してしまいます。
それに人役を買っているのは屋敷にある大量のビール。そろいもそろって酒好きなため次から次へと飲む彼らを見て本気で健康が心配になるレベルです。今回はそれ以外することがなかったからといわれればそれまでですが。
肝心の謎については彼らがこの屋敷にたどり着くまでの経緯がかなり重要になっておりそれを忘れずにいられるかが鍵だと思います。
あとは中盤以降に明らかになるあれの存在が判明するまでは気づかない部分もあるので最後までヒントを見逃さないことが大事です。
登場人物紹介2
辺見祐輔
安槻大学の学生であだ名はボアン先輩(千帆はボンちゃんと呼ぶ)。実年齢は不明だが都市伝説で結婚して子供がいる人に同級生がいるといわれるくらいではないかといわれており実際物語開始時点ですでに留年をかなりしており安槻大学の牢名主といわれている。
留年している理由は明かされておらずしょっちゅう東南アジア方面に旅行に言ってるらしいが真偽は不明。
無類の宴会好きで暇な大学生を自宅のボロイ一軒家に呼んでは宴会を楽しんでいる。
千暁とはいつも酒を飲みあうほどの腐れ縁。千帆に好意があるが当の本人からは相手にされずそのやり取りはまるで漫才のようである。
のちに意外な職業に就くことになる。
羽迫由起子
安槻大学の学生であだ名はウサコ。初見の人には中学生(下手をすれば小学生)と間違えられるくらいの童顔。
かわいらしい見た目に反してかなり飲む方。千帆とは仲が良く千帆が心を許す数少ない人物。
他の3人に比べて当初は出番が少ないが徐々に出番が多くなりのちに人生を大きく変える出会いが訪れる。