*内容*
地球の形をもっと正確に知る。
〇緯度
楕円体のある点に立てた垂線と赤道面とがなす角度を緯度(測地緯度、地理緯度)という。ここで、垂線は必ずしも楕円体の中心を通るとは限らない。
〇ほどほどに正確な地球の形
17~18世紀には, 地球の形が赤道方向に張り出した扁平な楕円体か, 南北に長い縦長の楕円体かをめぐってニュートンとカッシーニとの間で論争が起こった。これを受けてフランス学士院は赤道付近のペルーとスカンジナビア半島とで緯度1°あたりの弧長を測量した。
1°あたりの長さがどちらも一緒なら地球は完全な球。エクアドルのほうが長ければ縦長の楕円体。スカンジナビア半島のほうが長ければ横長の楕円体ということである。
その結果は下の通り。
ラップランド(66°22’N) 111.9㎞
フランス(45N) 111.2㎞
ペルー(1°31’S) 110.6㎞
高緯度になるほど距離が長くなることから地球は赤道方向に膨らんだ回転楕円体ということがわかる。
〇地球楕円体
実際の地球に形や大きさが最もよく適合する回転楕円体のこと。
赤道半径a = 6378.137km 、 極半径b = 6356.752km
赤道半径のほうが約21km長い。
地球の平均半径rは赤道半径aと極半径bを用いて
r = (2a+b)/3 であらわされる。
〇扁平率
回転楕円体のつぶれている割合を表したもので、fであらわされる。f=0のとき完全な球となる。
扁平率fは赤道半径aと極半径bを用いて
┌───────────────────────────┐
| f = ( a - b ) / a |
└───────────────────────────┘
地球楕円体の場合、f ≒ 1/298。
~参考文献、URL~
力武常次ほか (1998) 『チャート式 改訂新版 新地学』 数研出版
蜷川雅晴 (2010) 『決定版 センター試験 地学Ⅰの点数が面白 いほどとれる本』中経出版
数研出版株式会社編集部 (2014) 『もういちど読む 数研の高校地学』数研出版
日本測地学会 Webテキスト 測地学 新装訂版 2-2重力
http://www.geod.jpn.org/web-text/part2/2-2/index.html
進研ゼミ高校講座
http://kou.benesse.co.jp/nigate/science/a13g01bb01.html