*内容*
地球上にある物体にはさまざまな力がはたらいている。今回は引力(万有引力)、遠心力、重力について。
〇引力(万有引力)
任意の2物体にはたらくお互いに引き合う力。
万有引力の大きさはお互いの質量の積に比例し、距離の2乗に反比例する。
2つの物体の質量をそれぞれM[kg]、m[kg]、距離をr[m]としたとき、2物体にはたらく万有引力の大きさF[N]は
┌───────────────────────────┐
| F = GMm/r^2 |
| G=6.673×10^-11[m^3/(kg・s^2)]:万有引力定数 |
└───────────────────────────┘ 〇遠心力
回転する物体にはたらく、回転軸に対して直角外向きにはたらく力。 質量m[kg]の物体が角速度ω[rad/s]で回転運動を行うとき、物体にはたらく遠心力f[N]は、物体の描く円の半径をr[m]としたとき
┌───────────────────────────┐
| f = mrω^2 |
└───────────────────────────┘ 地球上の緯度φの地点にある物体にはたらく遠心力の大きさは mrω^2cosφとなる。赤道ではφ=0°でcosφ=1、逆に極ではφ=90°で、cosφ=0となるから、遠心力は赤道で最大になり、極で0になる。
〇重力
地球上の物体は万有引力と遠心力を同時に受けている。万有引力と遠心力の合力を重力という。
遠心力は赤道で最大となり、極で0となる。もし地球が完全な球体なら、地球の中心からの距離はどこでもいっしょになるので、万有引力の大きさは変わらない。重力は万有引力と遠心力との合力なので、赤道で最小、極で重力=万有引力となる。
また、重力の方向を鉛直線といい、鉛直線に垂直な面を水平面という。
〇重力加速度
物体にはたらく重力の大きさは質量m[kg]に比例し、W = mgとあらわせる。この比例定数gを重力加速度といい、ほぼ9.8m/s^2である。
~参考文献、URL~
力武常次ほか (1998) 『チャート式 改訂新版 新地学』 数研出版
蜷川雅晴 (2010) 『決定版 センター試験 地学Ⅰの点数が面白 いほどとれる本』中経出版
数研出版株式会社編集部 (2014) 『もういちど読む 数研の高校地学』数研出版
日本測地学会 Webテキスト 測地学 新装訂版 2-2重力
http://www.geod.jpn.org/web-text/part2/2-2/index.html
国土地理院 重力を知る
http://www.gsi.go.jp/buturisokuchi/gravity_menu01.html