*内容*
地球が丸いことはなぜわかったのか。地球の大きさを計算で求める。どちらも観測事実からわかったこと。
〇地球の形
・アナクシマンドロス(紀元前6世紀ごろ)
地球を南下するにつれてみたことのない星座が見えるが、東西の異動ではそのようなことがないことから茶筒を横倒しにしたような形状と考えた。
・ピタゴラス(紀元前530年)
宇宙も地球も完全な形をしているはずであると考え、地球は球体であると考える。
・アリストテレス(紀元前4世紀)
地球が球体であることを観測事実から結論した。
①高いところに行くほど遠くが見える。
②北に行くほど北極星の高度が高くなる。
③水平線の彼方から近づく船は帆先から見える。
④月食のとき月面に映る地球の影が丸い。
〇地球の大きさ
・エラトステネス(紀元前220年ごろ)
地球を球体と考え、地球の大きさを測定した。
・アレキサンドリアとシエネでの太陽の南中高度の差に着目。
夏至の日の正午、シエネでは太陽の南中高度が90°になり、アレ キサンドリアでは82.8°となる。
図から、南中高度の差7.2°が2地点間の緯度の差となる。(∵太陽 と地球との距離は地球の大きさと比較して十分大きいため、太陽か らの光は地球上のどこにでも平行に降り注ぐと考えてよい。太陽からの光は平行なので同位角は等しい。)
・アレキサンドリア-シエネ間の距離は925㎞。
南中高度の差:360°=アレキサンドリア-シエネ間の距離:地球1周の長さ
7.2°:360°=925㎞:x㎞
x=4.6×10^4km
・実際の地球の大きさ 4.0×10^4㎞
・誤差の要因
①アレキサンドリアとシエネは同一子午線上にない。
②太陽の南中高度測定の精度。
③距離測定の精度
・地球の半径 6.4×10^3km ┌───────────────────────────┐
|2点間(同一子午線上)の緯度差をθ[°]、距離がS[km]とすると |
|地球1周の長さL[km]は |
| L=S×θ/360 |
└───────────────────────────┘
~参考文献、URL~
蜷川雅晴 (2010) 『決定版 センター試験 地学Ⅰの点数が面白 いほどとれる本』中経出版
杵島正洋ほか (2006) 『新しい高校地学の教科書』講談社