寂しいけれど… | 太極拳が大好き

太極拳が大好き

太極拳大好きアラフィフのつれづれなる日々です

定年してからの生きがいをと

私の下で一から始めた太極拳

本気で楽しんで

殆ど休まず約5年間

検定にも挑戦し

大会出場選手としても頑張って

地元の体育館では自主練共に励んだ

ナイスガイのS さんが

今朝旅立たれました

三週間前まで

お休みしないで稽古されていたのに…

始めからご自身の肺ガンの再発と

戦っていると告白をされていた

抗がん剤の治療は

稽古をお休みしないよう

スケジュールされ

毎回毎回私の指導を

事細かにメモされていて

奥様とのお出かけの際も

いつもそれを持ち歩いて

最期の入院中のベットの上でも

そのメモを何度も読み返していたとの事だった

酸素レベルが低すぎて苦しくて

身体中が痛くって

動けない身体でいたけれど

「夢の中で太極拳をしていた」

と筆談されていたとの事だった

稽古で教わった事を

毎日毎日かかすことなく

お家で復習しながら練習されていたと

「心底好きな物に出会えて本当に幸せでした」

とのご家族のお言葉に

私の方こそ感謝の気持ちで胸がいっぱいだった

私を先生としてリスペクトしてくれた

初めての生徒さんでした

指導を始めてからS さんこそが

私を本当の先生にしてくださったと思う

かつての亡き恩師から

いつも聞かされていた言葉

「いつも側に太極拳を。

 あなたをきっと支えてくれるからね」

この言葉を伝えられる先生になりたいと

願い続けて指導をしてきた

私の願いはS さんに届いていたと思う

「もっともっと太極拳をしたかった」

と心残りだったようだけれど

最期の最期まで大好きな太極拳

一緒に出来たよね

教室の皆さんも入院されてから毎日

代わる代わるお見舞いに行ってくださいました

早朝奥様からのラインをみて

教室の皆さんと駆けつけたけど

残念ながら15分程到着遅れて

最期の瞬間には間に合わなかった

24式と32剣でいつも使っている

S さんもお気に入りの曲をかけながら

まだ暖かいその手を握って

最期のお別れをしてきました

S さんには最優秀生徒賞を贈ります

約束した全日本チャンピオンへの道

諦めずに必ず成し遂げます

S さんの魂が安らかでありますように…

来世も楽しい人生でありますように…

一緒に太極拳してくれて

私も本当に本当に楽しかったです

ありがとうございました