「デス・サイト」
(THE CARD PLAYER)
(2004年 イタリア 99分)
の感想です。
イタリアン・ホラーの巨匠、
「サスペリア」のダリオ・アルジェント監督、2004年の作品。
ジャーロ(イタリア製猟奇スリラー)です。
鬼才と呼ばれる巨匠の作品。
にしては普通のハラハラドキドキなサスペンス映画でした。
猟奇的殺人犯が、ネット上で警察にポーカー対決を挑んできます。
ゲーム画面の端には、誘拐した女性の映像が中継されていて、
警察が対決を拒否しても、ゲームに負けても、女性は殺されます。
昔レンタルで観て、
ブログ記事にしようと思ったものの、
「う~ん」となって、ちょっと感想が書けず。
久々に観直したので再チャレンジ。
ダリオ・アルジェント監督のジャーロといえば、
「サスペリアPART2」「シャドー」「わたしは目撃者」等々、
斬新な演出で見せる傑作が過去に多数あります。
トリッキーでスタイリッシュな殺人描写は劇中の重要な見どころで、
作品の大きな魅力となっていました。
とにかく殺しの見せ方がカッコ良いんです。
特にクライマックスからラストには、
決まっていつも衝撃的な断末魔ショーが用意されていました。
でも今回は、パソコンのモニター画面内、
尚且つフレーム外で首を切られる、とか、
喉元に鉤爪を引っ掛けたところでシーン変わり、とか、
殺人描写はあまり直接的ではありません。
フレーム外の見えない残虐を想像させる演出。
なので主に命を賭けたカードゲームのサスペンスを楽しむ作りになってますね。
アルジェント監督のジャーロ!
・・・にしては普通っぽいです。
何と言うか、円熟した結果、
普通に観られるサスペンスドラマのように仕上がった感じ。
犯人の居所の追い詰め方なんて「科捜研の女」みたいですし。
最後の大勝負は最大の見どころ。
普通にハラハラドキドキします。
そして、
アルジェント作品のクライマックスに付き物のド派手な断末魔。
これはいつも通り凄まじいのですが、
現実的で少し嫌な感じの死に方。
ゴブリンのサウンドに乗ってテンポ良くリズミカルにブチ殺す!
的な昔のスタイルではないので、
「シャドー」の頃のようなカッコ良さはありません。
2時間サスペンス的に普通に楽しめる作品です。
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