新説『マジすか学園4』
#4634 『翼の折れた天然アイドル234 予期せぬ再会』
「SF翼のない白雪姫(41/47話)」
カチドキ(堀 未央奈)
菜々香(長沢菜々香)
梨 加(渡辺梨加)
<都会の人気アイドル>
ゆうゆ(大谷悠妃)
「死者の谷」から街に戻ったものの、人は誰もおらず、さらにここまで同行した救助隊やブラックシープスの仲間たちが突然消えてしまった。
リョウの周りにいるのは、昨日から行動を共にしているカチドキ、よこにゃん、ちかこだけだ。
そこで4人が「はた屋」に行ってみたら、店内でマイカとセナ、それにゆうゆがテーブルを囲んでいるではないか。
谷底で姿を消したマイカとセナが、どういう手を使ったのか分からないがここまで追ってきたのだとしたら、その執念深さに警戒しなくてはいけないとリョウは思う。気になるのは、その2人とゆうゆが同席していることだ。ゆうゆとどんな関係を築いているのかよく知らない。そしてこの場に居合わせた全員が黙る中、最初に喋るのはちかこだ。
『どうしてゆうゆがこの2人とうちの店で一緒にいるの?理由を教えて欲しいんだけど』
テーブルの3人は揃って穏やかな表情をしているが、どこか嘘くさいとリョウは感じてしまう。そしてゆうゆが喋る。
『ここのうどんが美味しいって、ゆうが前からマイカちゃんとセナちゃんに話していたんだよね。それが今こうして食べられるなんて、願いが叶ったの』
ちかこが聞き返す。
『どういうこと?だってちかとよこにゃんがここにいるのに、どうしてゆうゆたちがうどんを食べられるの?』
ゆうゆが意味深な笑みを浮かべる。
『うどん屋をやってるのは、ちかこちゃんとよこにゃんだけじゃないでしょ』
『てことは、はたごんと優莉奈が厨房にいるの?』
ゆうゆが『そう』と頷く。確かに厨房の方から聞き慣れた物音が聞こえる。うどんを作っている音に違いないし、それが可能なはたごんと優莉奈が来ているのだろう。不思議なことになっているので、ちかこが突っ込んで聞いてみる。
『そうなんだけど、さっきから話がおかし過ぎるじゃない。谷底から救出されてようやく帰ってきたら、街の人たちは誰もいなくなって死者の街みたいになってるし、突然他のみんなが消えてしまったのはどうして?それなのに、なんでゆうゆだけはここにいるの?あとそっちの2人は谷底の住人でしょ。どうやってここに来たの?』
ゆうゆが笑い出すのを我慢するような顔になる。
『いろいろ心配なことがあるみたいだね。でもマイカちゃんとセナちゃんがいれば、何でも実現しちゃうの。そうでなきゃ、ゆうたち3人が今ここに来ているはずないでしょ。はたごんと優莉奈ちゃんも、マイカちゃんが呼んだの』
ゆうゆの返答を聞いたちかこが唖然としているが、リョウは分かったことがある。マイカとセナは、さーなんやユキとモエと同じような存在なのだろうと。共通点だってある。地滑りの災害で命を落としたマイカとセナに対し、さーなんは豪雨による濁流で家ごと流された。ユキとモエは戦禍の犠牲者だ。これまでさーなんが成し遂げてきた奇跡的な場面を何度も見ただけに、マイカとセナのことを認めない訳にいかない。そんな中で、頼りになるはずのさーなんが全く関わっていないことを、リョウは残念に思う。
◇続く