新説『マジすか学園4』
#4626『翼の折れた天然アイドル226 急変する世界』
「SF翼のない白雪姫(33/47話)」
カチドキ(堀 未央奈)
菜々香(長沢菜々香)
梨 加(渡辺梨加)
<都会の人気アイドル>
ゆうゆ(大谷悠妃)
マイカの合図で、生き霊の集団が現れた。
その中に突っ込んで逃げ切ろうとしたリョウとカチドキ、よこにゃんとちかこだったが、突然の激しい揺れに襲われた。
それがようやく収まったと思ったら、前方で崖崩れが発生したらしく、土砂が溜まって景色が大きく変わった。こんな変動がこの辺りだけでなく、棲み家としている地域にも被害が及んだのではないかと、リョウは心配だ。
何とか立ち上がって道の方に出てみると、こちらも景色が一変しているどころか、まるで自然災害が襲ったあとのような惨状だ。ここまで来た道は崖崩れによる土砂や倒木のせいで塞がれ、簡単には帰れそうにない。自分たちの棲み家どころか、仮想のような世界がとうとう終わりを迎えたのだと思う。
リョウの周りにカチドキ、よこにゃん、ちかこが悲壮な顔で集まり、『一体何が起こったの』『みんなどこに行ったの』『もしかしたら助かったのは私たちだけ?』『これからどうなるの』などと矢継ぎ早に不安な気持を言葉にしてくるが、誰からも前向きな発言は出て来ない。
絶望的な気持ちで佇んでいたら、夕暮れになった空の方から、機械的な回転音が聞こえてきた。4人が初めて聞く音だ。すぐに全員が空を見上げると、見たこともない鉄のような物体が空に浮かび、少しだけ移動している。回転音は3つの羽が回っている音だとリョウは分かった。
こんな物を見るのは初めてだし、なぜ今なのかと疑問に思い、自分の頭がおかしくなったのではないかとリョウが視線を地面に戻したら、周囲が一変している。ついさっきまで土砂や倒木で酷い状態だったのに、それらが突然消えている。代わりに、辺りは何もない硬い土の地面と崖の岩肌しか見えない。これが本来の谷底だろうなと妙に納得してしまう。
上空からは相変わらず羽の回転音が聞こえる。このアンバランスさが何を意味しているのか全く分からずにいると、上空の飛行物体から明るいライトが地上に向けて照らされ、やがて自分たちがライトの真下に位置した時、飛行物体の動きが止まった。これで見つかってしまったのか、それとも見つけてもらえたのか、リョウはよく分からない。カチドキが『あれは一体何なの?どうしてあんなものが空を飛んでいるの!』と大きな声を出し、よこにゃんとちかこも同じようなことを口走っている。
リョウは3人の前では言わないが、谷底に広がっていた仮想のような世界が滅んだことを確信した。一体自分たちは今日まで何をやっていたのだと悲観的な気持ちになり、もはや立っていられなくてその場にしゃがみ込んだ。カチドキたちも釣られたのかそうした時、大勢の足音が地響きのように伝わってきた。自分たち4人だけの世界に紛れ込んでしまったのではないかという恐怖に襲われていたので、リョウはほんの少しだけ期待を持った。
その足音は何者なのか突き止めようとする。辺りは暗くなっているが、上空からのライトが周りを照らしているので何とか確かめられる。足音はさらに大きくなり、耳から身体全体に響き渡ってくる。その直後ついに複数の男の声が聞こえた。『大丈夫かー』『助けに来たぞー。もう安心だからなー』などと言っていると分かった時には、心の底から″助かった!″という安堵の思いが広がった。その直後、同じオレンジ色の救助服を着た何人もの男性たちが到着したことを、リョウは自分の目で確認した。
◇続く