#3970『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3970『そのアイドル、天然につき120 最期の瞬間』




「KEYABINGO!」(24/47話)


【出 演】

七 瀬(ななまる 西野七瀬)
美 彩(シェリー 衛藤美彩)
玲 香(ブナン 桜井玲香)
沙友理(ユウウツ 松村沙友理)
一 実(コテ 高山一実)
佑 美(イマドキ 若月佑美)

ゆうゆ(大谷悠妃)





運命を受け入れた6人の女性たち。


そこで大きな声を出すのは七瀬だ。

『そうだ!何としてでももう1度姿を現してやる。もしそれがうまくいったら、6日後にこの広間に私たちが現れて痕跡を残すから、ちゃんと見ていてよね!』

『はい!分かりました!気を付けて見ておきます!』

七瀬の気迫に押されて取りあえずそう答えたゆうゆだが、果たしてそんなことが実現するのかどうか半信半疑だ。むしろ不可能だと思うが黙っておく。


その直後、広間の高い天井が突然光り出した。眩しくてゆうゆはとても直視できないが、とんでもないことが起きたということだけは分かる。そしてその中心部から声が聞こえてきた。七瀬たちが話していたのは、このことに間違いないと思う。1人だけ場違いなゆうゆは、とてつもない恐怖に襲われ、すぐにソファーの向こう側に隠れた。効果があるとは思えないが、何もせずこのまま姿を見られるよりはマシだとの判断だ。こっそりと七瀬たちの様子を窺うと、既に覚悟を決めたのか、全員がその場で立ち尽くしている。


頭を伏せて屈み込んだゆうゆにも、その声は聞こえてきた。

"約束した通り一定の年月が過ぎ去ったので、もうここに留まることはできない"というようなことを伝えてきた。そして周りが一段と光り輝いたと思ったら、その数秒後には全てが終わったかのように、元の広間に戻った。


ゆうゆが恐る恐る顔を上げて確かめる。やはり七瀬たち6人が広間の至るところに倒れている。側に行ってみると、息が絶えているのは明らかだ。そんな姿を見て、目の奥に涙が湧き上がってきたが、突然の物音に悲鳴を上げてしまった。何だろうと思って確かめると、あの清掃業者の男性3人が、掃除道具を持って広間に戻ったのだ。悲鳴は聞こえないらしく、何やらお喋りしながら側までやって来た。そして今度は男性たちが悲鳴を上げる番だ。七瀬たちの遺体を見て取り乱したあと、1人がスマホを取り出して警察に電話を掛けた。


ゆうゆはこれで自分の役目を終えたので、意識をコントロールして6日後に戻るため、そっと目を閉じてから集中した。



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しばらくして、6日後のあの薄暗い山荘の広間に戻った。目を開けると、ソファーで横になっていて、みんなが不安そうな顔で覗き込んでくるので、すぐに身体を起こして安心させる。

『ただいま。ゆうは大丈夫だから心配しないで。この山荘で何が起きたのかしっかり見届けてきたので、今から話します。その前にカーテンを開けて部屋を明るくしませんか』

ついさっき見聞きしたばかりの事実を、暗い部屋の中ではとても語る気になれず、そう提案した。


するとみんなで手分けしてカーテンを開けたり、日差しを遮っていた物を取り除いたので、広間に明るい光りが戻った。


待ち受けていたゆうゆがついに帰還した。そんな中、北川はまず戸棚に向かい、スマホを覗き込む。たくさんある中から自分のスマホを手に取ると、電源を入れてマナーモードにし、後ろポケットにしまった。欅署の捜査本部に詳しい状況を伝えないといけないが、向こうから電話が掛かってくる可能性もあるので、電源だけは入れておく。それを終わらせてから先輩たちと一緒にゆうゆの話に耳を傾ける。すると潤んだ目をしたゆうゆが喋り始めた。



◇続く