#3929『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3929『そのアイドル、天然につき79 かおたんの気配り』



ランチビュッフェは余興が終わり、終盤に差し掛かった。


ひゆかとれみたんが立ち去ったあと、瑠夏はまだすることがある。ちゅ〜'Sデイズを結成しているゆうゆと成美の姿を探したら、運良く2人揃って同じテーブルでデザートを食べている。瑠夏はチョコレートケーキといちごタルトをたいらげてから、2人のテーブルに行って声を掛ける。


『あのう、このあと3人でシェリーさんのマンションに行って、「KEYABINGO!」の脚本作りに参加しませんか』


成美がフォークを置いてからこちらを見る。

『うん。あたしもそうしようと思って、ゆうゆと話してるとこだ』

瑠夏が成美に聞いてみる。

『成美さんは、今日ドッキリがあるって知ってたんですか?』

『知らなかった。かおたんは、るーちゃん以外の自宅組にはメールで一斉送信して教えたんだけど、ハウスに住んでるあたしたちや、泊まった者には全く教えなかった。でも途中でピンと来て、るーちゃんが麟たちにイジられていたことも知ってたけど、さすがにあそこで止めに入ることはしない方がいいから、気付かないふりをしてた。大体みんなそうだと思う。悪かったなぁ』

『全然悪くないですよ。ドッキリを途中でバラすなんて、絶対にしちゃいけないことですもん』

『それもそっか。「KEYABINGO!」の方は脚本がどのくらい仕上がっているか気になるよなぁ。欅坂の子たちが、今度のストーリーはベマーズに一任してあるって言うから余計だ。変な話になってないといいけど』

ここで、ゆうゆが予想する。

『この時間だと脚本どころか、ストーリーさえまだ決まってないかもしれないですね。大まかな設定まで行ってるかどうかってところですか』

『そうだよね。先週だって、るかたちが「はつもり」で夜ご飯を出してもらってたら、ななまるさんが帰って来たでしょ。多分今日も夜の7時くらいまでは話し合ってるはずだから、行かなくっちゃね!』

『ゆうもそう思います。行きましょう』


ここを出たらシェリーのマンションに向かうことが決まったところで、瑠夏はあることが気になっているので、それを実行してみようと、まずは成美に聞いてみる。

『成美さん。ランチビュッフェの残った料理を、ベマーズの人たちにおみやげとして持って行ってあげましょうかー。こんなにおいしいものを、あの人たちにも食べさせてあげたいです』

同意してしまう成美。

『うん。それがいいな。余った分はどうせ廃棄しちゃうんだから、そうしよう!こっちはお金を払ってるんだし、いいだろう。プラスチックの容器をもらってこなくちゃ』

今にも動き出そうとする成美と瑠夏を見て、ゆうゆがたまらず止めに入る。

『あー。ちょっと待ってください!ビュッフェで余った料理を持ち帰るのは、マナー違反です。やめた方がいいと思います』

振り返った成美が聞く。

『本当かー。だって今日のランチビュッフェは貸し切りでうちらだけなのに、それでもダメなのか』

ゆうゆが首を静かに振ってから答える。

『貸し切りでもダメです。ましてやここみたいな高級ホテルでは、絶対にやめた方がいいです』

『そっか。ゆうゆが言うならやめておこう。ちなみに余った料理はどうするんだろう?』

『さぁ?どうするんでしょうね。ゆうもよく分かりません…』

2人の会話を聞いて、瑠夏が残念がる。

『ベマーズの人たちの夜ご飯になると思ったのになぁ。しょうがないね』

その時、成美が思い出す。

『そう言えば、かおたんがベマーズに焼き肉弁当を差し入れするって話になってた!だからうちらが食事のことを気にする必要ないって』

『なら良かったです。でもどうしてかおたんがベマーズの人たちに差し入れしたんですか?』

『そりゃあ、いつもならうちらと欅坂のメンバーが打ち合わせでベマーズと会ってるのに、今日は全員でランチビュッフェに行くから打ち合わせに出られないだろ。その代わりに差し入れしたってことだろうな』

『うわぁ〜。さすがかおたんですね!そこまで気配りができるなんて!』

瑠夏がかおたんのことを見直したら、ちょうどそのかおたんからランチビュッフェの終了が告げられたので、成美とゆうゆが慌てて残りのデザートに手を伸ばした。



◇続く