新説『マジすか学園4』
#3865『そのアイドル、天然につき15 迷走するヤンキーたち』
水泳大会が開催されるスポーツセンターの楽屋に、反乱軍と関東レディースが来ている。
<アンダー16連合 反乱軍>
陽 菜(橋本陽菜)
ひゆか(坂川陽香)
れみたん(徳永羚海)
<関東レディース>
麟 (岡部 麟)
おだえり(小田えりな)
七 瀬(吉川七瀬)
<レッツゴー!シックスティーンズ>
七 海(浅井七海)
瑞 葵(山内瑞葵)
まなか(田口愛佳)
くるみ(鈴木くるみ)
ドアを開いて早速切り出すのは、まなかだ。
『よおーっ!みんな揃ってるかぁ〜。あれ?1人足りなくないか?誰だったかなぁ。影が薄くて覚えてないや。はるpyon、誰がいないんだっけ。教えてくれないか』
まなかからの先制攻撃に、陽菜が下からの態度に出る。
『またうちらから離脱者を出してしまって申し訳ない。これから反乱軍は、あたしとひゆかとれみたんの3人でやっていくから…』
陽菜が低姿勢なので、まなかはそれに合わせておく。
『あー。そんなの別にいいや。これからは少数精鋭でやっていこう!』
ここで麟がさっさと話題を切り替える。
『今日は4人とも水泳大会に出るのか』
答えるのはくるみだ。
『あたしとまなかの2人だけだ』
『はっ?七海と瑞葵は出ないのか?』
『ああ。水着にはなりたくないそうだ』
麟が攻勢を強める。
『ふっ。何だよ。ヤンキーやって暴れてるくせに、水着になる度胸はないのかよ』
くるみに代わり、瑞葵が対抗する。
『度胸なんて関係ない!水着になりたくないんだから、いいだろー』
『つうか、七海はともかく、なんで瑞葵は水着にならないんだよ!とっくに水着になってると思ったら、水着になるなる詐欺みたいなもんじゃないかっ』
『うるせー!』
麟が思い出す。
『NG無しだって豪語して、心霊スポットを回る番組にも出演したくせに、水着はNGってどーいうことだよ!』
『幽霊と水着を一緒にするな!』
怒り出す瑞葵に続き、七海も黙っていない。
『今、七海はともかくって言ったよな。どうしてあたしはともかくなんだよ!あたしの水着は期待されてないってことか!?』
絡まれてしまったので、麟が反撃する。
『深い意味はねえーよ!そんなふうに受け取るってことは、自分がそう思ってるってことじゃねえーのか!』
『そんな訳ないだろ!』
会ってそうそう険悪ムードの両者を見て、たまらずひゆかが間に入る。
年下のひゆかに言われてしまい、言い合っていた者たちが恥ずかしくなって黙った。さらにれみたんが続く。
『みなさんは先週の放送を覚えていますか!?あたしたちとカムカムフレイバーが、STUでんつに挑戦状を叩き付けたじゃないですか。結局STUでんつの番組で決着をつけようってことになったのに、全然話が進んでないですよね。きっと今日もSTUでんつと水泳大会で対決する流れになると思うので、絶対負けないように張り切っていきましょう!フォトジェニック賞とMVPも、あたしたちのチームから受賞者が出ることを目標にやりましょう!』
れみたんが鼓舞したので、みんなが盛り上がり、気勢を上げた。やっと一致団結した中で、まなかがポツンと呟く。
『なんか、れみたんが水泳大会に出るみたいな勢いだなぁー』
れみたんが『あっ、そうでしたね。張り切り過ぎました』と言って手で髪を触ると、笑いが起きた。
一方、シャチホコセブンやすちーず、それに瑠夏たちが集まっている控え室に、午後7時を少し回った頃、東京から1人でやって来るユナが到着した。
ユナは初めて見るスポーツセンターの控え室をキョロキョロと見回したあと、所定の位置にキャリーバッグを置き、すちーずの仲間が陣取っているスペースに向かった。
◇続く