新説『マジすか学園4』
#3859『そのアイドル、天然につき09 探りを入れる瑠夏』
リビングでは、番組で開催される「アイドルだらけの水泳大会」について話が盛り上がっている。そんな中、瑠夏がかおたんに聞く。
かおたんが瑠夏を見て驚く。
『あんた、水着になるのはまだ早いて〜。賞は私とスタッフの人たちが話し合って決めるんだがね』
瑠夏が探りを入れる。
『もっぱら?そんなの知らんがね。いつどこで噂になっとるの〜。そんなことはないて。今夜の水着と、プールでの華のある活躍ぶりを見て、全員の中から決めるわ』
『そうですかぁ。だったらるかは頑張るので、よろしくお願いします♡ 』
『ああ。頑張りやぁー』
瑠夏がかおたんと話している間に、来訪者がインターホン越しに由美子とやり取りしていた。しばらくすると、MCのくれながリビングに姿を見せた。瑠夏が今度はくれなに質問を浴びせる。
『あー、くれにゃん。お疲れさまです♪今日の水泳大会もMCをやるんですよね』
くれながリビングを見回すが、空いている椅子もソファーもないので、カーペットの床に座る。
瑠夏は先週の放送で、くれながゆうゆと番組内で言い争っていたことを覚えている。水着ではなく、それなりの薄着で参加すると言うくれなに向かって、ゆうゆが「ゆうがもしMCだったら、水着になる覚悟はあるんよ!」とクレームを付けた。それに対してくれなが、「ゆうゆが水着になって出場すると言うんなら、くれなも水着でMCをやるよ!」と対抗したのだ。結局ゆうゆは水着にならず、プールサイドでの応援と雑用係を選んだのだが、それを確かめる。
『水着でMCはやらないんですかー』
『MCが水着になって、出場する子より目立ってしまうのは悪いから、くれなはそれなりの薄着でやるつもり。この前くれなに絡んできたゆうゆも、水泳大会には出ないんでしょ』
食い下がってみる瑠夏。
『えっ、別に目立ってもいいじゃないですかぁ。るかはくれにゃんの水着を1番見たいです♡』
『でもくれなはアイドルじゃなくてミュージシャンだから、水着を売りにはしないの』
『そうなんですかぁ…』
残念がる瑠夏を見て、成美が黙っていない。
くれなが困った顔をすると、かおたんが首を突っ込む。
『それならいい方法があるわ。くれなは水泳大会に出て思う存分目立ちゃあよ。MCはユウカとカレンにやらせるで。くれなが出始める前に2人でMCをやったことがあるんだで、大丈夫だわ。これで問題解決だがね〜』
くれなが慌てる。
『あー、ちょっと待って!水着を持って来てないし、そもそもこんな時期はずれなんで、どこにしまったかも忘れちゃった。もう間に合わないよ〜。くれなはそれなりの薄着でMCをやらせてもらうから!』
これで周りから失笑が漏れて、問題が解決した。
そこからしばらくお喋りしているうちに午後5時を過ぎてシャチホコセブンのメンバーがハウスに到着し始めたが、同じ頃に自動運転の送迎バスがハウスの前に着いた。いつも中京テレビに行く時はもっと早い時間に出発するが、区のスポーツセンターは一般の利用者がいるため、遅めの午後6時頃着くようにした。
みんながリビングを出た。各自の荷物を持って玄関先に行ってみると、シャチホコセブンのメンバーが集結している。瑠夏たちが挨拶していると、あかりんがかおたんに聞く。
◇続く