#3766『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3766『アイドルに転職は難しい116 招かれた2人』




「KEYABINGO!」( 1/28話)

【出 演】

< 欅 署>
守屋 茜(警部)
志田愛佳(警部補)
今泉佑唯(巡査部長)
小林由依(巡査部長)
北川綾巴(若手巡査)
堀 未央奈(若手巡査)

<所轄の刑事>
菜々香(長沢菜々香)
梨 加(渡辺梨加)

<フリーの記者>
ね る(長濱ねる)
平 手(平手友梨奈)


この日の朝、欅署から少し離れた待ち合わせ場所に集まっているのは、警部の茜、警部補の愛佳、巡査部長の今泉と小林、若手巡査の北川と堀。さらに所轄の刑事で、茜と愛佳の同期に当たる菜々香と梨加たちだ。この8人は先月、何も知らされないままある捜査に駆り出され、偽の死者が出る程、過酷な現場に立ち会わされた。だが実際は、欅署の上司たちが画策したもので、近い将来AIを悪用した犯罪が起こることを想定した実験台だった。

その後、茜と愛佳が上司に掛け合い、有給休暇での慰安旅行を実現させた。経費も欅署が持ってくれる。行き先は電車とバスに1時間半程揺られた先にある高原の温泉リゾート地で、口コミ人気の高い温泉旅館で1泊する。

カジュアルな私服姿で、集合時間の午前9時より10分程前に全員が集合した。予約を入れた旅館には、警察関係者ということは伏せ、地元の女子校を卒業した同窓生の温泉旅行だと伝えてある。この2日間は警察官という肩書きを忘れて楽しむつもりだ。日が明るいうちは高原を散策し、夜は温泉と宴会で日頃の疲れを取り、ゆっくり静養しようとの趣旨だ。

待ち合わせ場所にしたショッピングセンターの駐車場に、全員が集まった。このあと最寄り駅まで歩いて行こうとの流れになった時、北川がいきなり大きな声を出した。
『あーっ!あの2人、何でここに来てるんだ!』
あとのみんなが一斉に視線を向けた先に、フリー記者のねると平手が立っている。それもいつものスタイルではなく、カジュアルなジーンズ姿で、持っているのは、記者の小道具が入っているショルダーバッグではなく、自分たちと同じようなボストンバッグだ。続いて小林が直接2人に聞く。
『その格好…。もしかして私たちの旅行について来るんじゃないですよね…』
今泉も黙っていない。
『どうして私たちがこの時間にここで集まって、遊びに行くって知ってるんですか?変ですよ。もしかして私たちの連絡をどこかで盗み聞きしたんですか!』
今度は堀だ。
『それにしても、どうしてここにいるんですか。何か私たちと遊びに行く気満々だし』

一斉に非難されて困った顔になるねると平手だが、ここでようやく愛佳が切り出す。
『この2人を呼んだのは私。遊びに行くんなら大勢で行った方が楽しいじゃない。それにこの前の騒動には、この2人も巻き込まれたんだし』
愛佳の発言を聞いて、今泉が突っ込む。
『そうですか。でも愛佳さんって、この人たちにいつも文句ばかり言ってるじゃないですか。署の周りを嗅ぎ回っていることに怒っているし、あることないこと書きふらしたり、尾行する記者は大嫌いだって。私もそう思ってますけど』
愛佳が説明する。
『刑事と記者という関係の時はそうかもしれないけど、今日は日頃の縛りから解放されて楽しもうという日だから、別にいいじゃない』
ここで今泉が考える。愛佳は記者の2人と同じ年齢ではないが、お互いの仕事に就いたのが同じ年だったという同期なので、それなりの親近感を持っているのだろうと。ちなみに愛佳は茜だけでなく、所轄の菜々香と梨加も同期だ。今泉は先輩で上司の愛佳に反論する気はないので、引き下がっておく。
『あー。そういうことでしたら、分かりました。お二人さんとも今日は楽しくやりましょう』
ここでようやくねると平手の表情が緩み、2人揃って『よろしくね』と挨拶した。


◇続く