#3642『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3642『君と出逢ってから今日まで142 たどり着いた公園で…』



「SF翼のない白雪姫(12/34話)」


<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)

<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)

<都会の人気アイドル>
ゆうゆ(SKE48 大谷悠妃)

<謎の女の子>
せなたん(AKB48 石綿星南)

<魅力的な謎の女性>
???


午後から街に出た平手とねるは、路上ライブで着る服を探そうと、お気に入りの店に入った。そこに現れた女性を見て、ねるは思わず釘付けになってしまったが、平手も同様だった。そして2人は女性の尾行を開始した。

女性は街のはずれにある公園に足を踏み入れた。園内に人は見当たらず、樹木を伐採する作業中のようだが、休憩しているのか作業員はどこにもいない。こんなところに自分たちが入ったら丸分かりで不自然なので、ねるの足は入口の手前で止まった。そのあと平手と大きな木の陰に隠れた。


すると平手が愚痴をこぼす。
『もうー、何でこんなところからこっそり隠れて見なくちゃいけないんだ。ライブの仲間に入ってもらいたいなら、はっきりそのまま伝えればいいじゃないか』
反射的に身を隠したねるだが、平手が言う通りだと思う。
『うん。分かった。言い出した私が言ってみる。てちもついて来てくれる?』
『ああ。もちろん』

2人揃って歩き出そうとしたが、またも足止めを食らうことになった。その理由は女性が紙パックからポップコーンを手に取り、空に投げたからだ。一体何をするのだと不思議に思うねるだが、すぐに理由が分かった。スズメやハトが一斉に集まって来た。地面に落ちたポップコーンを、鳥たちが夢中で食べている。ねるが名前を知らない鳥は、スズメとハトの中間ぐらいの大きさだ。ここでやっと気付いた。この女性は公園に来るまで1度もポップコーンを口にしていない。目的はこれだったのだと。問題はこのあとどうするかだ。だがその決断を下す必要がなくなった。鳥たちにつられてつい木の陰から出てしまったせいで見つかってしまい、向こうから声が掛かった。

『あなたたち、さっきからずっと私と同じコースを歩いてるよね。凄い偶然じゃない。このあとどこに行くの?』

公園に来て気付かれたのかとねるは思ったが、実はそうではなかった。それに”凄い偶然じゃない”などと言われてしまった。尾行を見抜かれていたのだろう。それならそれで構わない。正直に理由を言えばいいだけだし、そう言うつもりだった。
『どこにも行きません。あなたのあとを追い掛けて来ました。ついさっき、私がよく行くお店で偶然見かけました。私たちは16人で路上ライブをやって、生計を立てています。そこであなたみたいな人に入ってもらえたらなと思い、声を掛けるタイミングを見計らっているうちに、ここまで来ちゃいました』
ねるは自分でも後半の説明は苦しいなと思う。声を掛けるタイミングはここに来るまでに十分あった。その点を指摘されそうだが、あとは向こうの返事を待つだけだ。

『そういうことなんだ。実は私、最近この街に来たばかりなの。路上ライブをやってる人たちなのね。何か素敵じゃない』
ねるが手応えを感じる。
『最近来たばかりなんですか。それじゃあ1度私たちのライブを観てくれませんか。それで入ってもらえるかどうか、決めてください』
ここで女性が目を逸らし、視線を空に向けた。
『そうねぇ。路上ライブをやりながら暮らしていくことは素敵だと思うんだけど、私は他にやらなくちゃいけないことがあるの。両方同時にやるなんてことは、あなたたちにとって失礼じゃないかな』
こうなると、ねるは意地でも引けなくなる。


◇続く