#3640『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3640『君と出逢ってから今日まで140 真昼の出逢い』



「SF翼のない白雪姫(10/34話)」


<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)

<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)

<都会の人気アイドル>
ゆうゆ(SKE48 大谷悠妃)

<謎の女の子>
せなたん(AKB48 石綿星南)


午後から街に出た、平手とねる。

路上ライブ用の衣装選びのため、お気に入りの店に入った。そこに現れた女性を見て、ねるは思わず釘付けになってしまったが、目が合うのもどうかと思ってすぐに逸らした。その女性が横を通り抜けたので、再び目で追った。黒い髪と瞳で整った顔立ち、そして黒い服がこんなにも似合う女性を、ねるは初めて見た。何て綺麗な顔をしているのだと思う。こんな雰囲気の女性を1人だけ知っている。200年前の戦禍で命を失いながら、この時代に甦ったユキに似たものがある。まさかこの女性もユキと同じ世界の人間だとは思えないが…。

ふと気付いたら女性の肩越しに、平手の横顔が見えた。あのてちが見とれているなんて珍しいことがあるものだと思う。それにしてもこの田舎街にこんな洗練された人がいるなんて信じられない気持ちと同時に、一体何をやっている人なのか、知りたくてたまらなくなった。ともかく何かヒントになるものを得られないかと考え、引き続き店内に留まっておこうと決めた。

女性はしばらくの間、店内の服をいろいろ物色していたが、店員に声を掛けることもなく店を出た。ねるはその間、平手と言葉を交わさず距離を取っていた。女性が出て行ったのでもう大丈夫だろうと平手に目で合図を送り、さり気ない態度を装いながら店を出た。女性の背中が前方に見えることを確認したあと、平手も店から出て来たので声を掛ける。

『この街に、あんな綺麗な人がいるとはねー』
平手も同じ思いだ。
『ああ。それもただ綺麗なだけじゃなく、魅力的過ぎて気持ちを持っていかれそうになる。何をやってる人なんだろう…』
ねるが自分の考えを言ってみる。
『普通の仕事をしてる人とは思えない。この街に芸能人はいないはずだし、もしかしたら何か怪しいことをやってるかも』
平手が提案する
『面白そうだから尾行してみるか』
『見つかったらヤバくない!?』
『真っ昼間の街中なんだから平気だろう。もし見つかりそうになったらすぐに中止すればいいんだし』
『そうだね。てちがそれだけ言うんならやってみよう。あーっ!早くしないと見失っちゃう💦』

ねるが平手から視線を逸らして通りの方に目を向けると、女性の背中がかなり小さくなってしまった。それでも黒い服は遠くからでも目立つし、街並みはよく分かっている。見失わない限りは問題ないと自信がある。人通りが多いのも人に紛れて尾行できるので好都合だ。そしてすぐに小走りであとを追い始めた。まずは一定の距離まで詰めておく。

間隔を維持して歩いていたら、女性が立ち止まった。この辺りのことを、ねるは熟知している。最近流行りの出来たてポップコーンを売っている露店の前だ。女性はここで中を覗き込んだあと、ポケットに右手を入れて金貨を取り出すと、店主に何か言いながら手渡した。待ち時間があるはずなので、その間に見つかってはまずいと考え、ねるは平手と建物の陰に隠れた。


◇続く