#3502『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3502『君と出逢ってから今日まで02 せなたんの意思』



「SF翼のない白雪姫」の撮影を終えた帰路のロケバスで、『今日が最後』と言い出したゆいりが、せなたんについて『バラエティーが好きだし、人気も出始めてるから、シャチホコセブンの番組に出させてもらって、ハウスに泊まれるようかおたんに伝えといてもらえるかな』と、リョウに託した。


無言で頷くリョウ。車内は重い空気になってしまったが、沈黙を破るのはせなたん自身だ。

『ゆいりちゃん!自分が思ったように行動したことは勝手だけど、私のことまで決めてしまわないで!私はゆいりちゃんと一緒だから、バラエティーに出たいと思ったの!ゆいりちゃんが行かないなら私も名古屋には行かない!』

ゆいりが強い口調に出る。

『いつまでも私に頼るのはやめなよ!自分のことくらい自分で決めたら!』

言い返すせなたん。

『自分で決めた結果がこれなの!』

『じゃあ、勝手にすれば!』

『そうする!』


2人のやり取りを聞いていて、ヤレヤレと思うリョウだが、出した結論にどうこう言うつもりはないので、ほうっておく。するとカチドキが口を挟んできた。

『せなたん。じゃあ、このドラマはどうするの。ゆいりちゃんが出ないなら、せなたんも出ないつもり?』


一瞬の沈黙があってから、せなたんが答える。

『う〜ん。ドラマにはこれからも出たい。演技の仕事は続けたい…』

頬が緩みそうになるカチドキ。

『分かった、分かった。せなたんの気持ちは受け取ったよ。あとで監督やプロデューサーに、あたしからよーく言っといてあげる』

『ありがとう』


カチドキに対してお礼を言うせなたんだが、茜から横やりが入る。

『カチドキじゃあ、頼りないなぁ。ここは今番組がイチオシにしてるゆうゆか、初回から出てるみーおんとあっちゃんの出番じゃないのー』

カチドキがむくれ、ゆうゆは『ゆうなんて、とてもムリ〜』と腰が引ける中、前田敦子が座席で立ち上がる。

『分かった!せなたんのことは私に任せて!美音も頼んだよ』


前田に振られる美音だが、表情が冴えない。

『でもねぇ、私がそういう役目を買って出ると、話がおかしな方向に行っちゃわないかなぁ。なんか不安だ💦』

そんな美音を見て、さーなんが意気込む。

『だったら、みーおんの代わりに私が言うよ。もしせなたんを出さないって言うなら、私も降板させてもらうって言ってやる!』

ドラマ出演者の中で断トツの人気を誇るさーなんが強気の発言に出たので、車内から歓声が上がって大いに盛り上がる。


それがひと息ついた時、疑問を口にするのは優莉奈だ。

『あのう、”交番”ってどーいうこと?さーなんがお巡りさんの役でもやるの?そんなのめちゃくちゃじゃない。有り得ないよ』

これで今度は車内が失笑に包まれたので、隣に座るはたごんが優莉奈の耳もとで話し掛けた。


ずっとみんなの会話を聞いている萌夏。シャチホコセブンの番組ホームページに今週の番組内容についての告知がないと気になっていたが、目玉になるはずのゆいりが来なくなったので、まとまらなかったのだろうと思う。先週初めてすちーずとしての出演がなかったので、今週は2週間ぶりに全員が揃うだけに、張り切っていこうと思っている。


その後は朝からの撮影でたまった疲れが襲い、会話も少なくなって眠りに落ちる者が続出した。



◇続く