#3489『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3489『君が隣にいてくれるだけで189 由依の失態』



「SF翼のない白雪姫(10/21話)」


<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)

<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48チーム8 行天優莉奈)

<シアターの従業員>
せなたん(AKB48 石綿星南)
ゆいり(AKB48 村山彩希)


由依は今日オープンした「3D体感シアター」で、仮想現実の中にいる。

異形の姿をした子を助けたのに、自分と入れ替わられてしまった。それだけではなく、少し前に武器で殴った男たちが怖い目をして迫ってくる。早く逃げ出そうとして後ろを振り向くと、既に周りを囲まれているではないか。それでも助かるには逃げるしかないと考え、体当りして逃げ道を確保しようとしたが、すぐに跳ね返された。仔馬になっているので、力がまるで及ばないことに気付いた。さらに転んだ拍子に怪我をしてしまったのか、後ろ脚に痛みを覚える。こんな状況で襲われたら助かりようがない。由依はついに大声で助けを呼び、あとは悲鳴に変わった。

その時突然、今までと違う景色が目に飛び込んできた。いったい何が起きたのだろうと頭が混乱する中、見慣れた今泉の顔が視界に入った。ゴーグルを外されたのだ。そして身体を揺り動かされる。
『ゆいぽん!ゆいぽん!大丈夫?悲鳴なんて上げて、また現実と架空の世界が混乱しちゃってるの!?』

由依は絶体絶命の世界から生還できたことには安堵するが、今泉に指摘された通りなので、その点についてはショックだ。
『う、うん…。途中までは分かってたんだけど、後半に入ってピンチに陥ったところからは分からなくなっちゃって、いったいどうしようかと思ってた💦』
『それはゆいぽんが選んだシチュエーションが悪いんだよ!どんなのにしたの?』
『えっとー、空を飛び回っていろいろな冒険をするみたいな…』
『冒険?そんなのにするからだよ!』
『じゃあ、ずーみんはどんなのにしたの?』
『えーっ、私?言いたくないんだけど、とにかく幸せに包まれる話にしたよ』
『その通りになった?』
『もちろん!』
『そっか。私の選択ミスだな。今度は楽しいのにしなきゃ』
『えっ。こんなことになって、また来るつもり?』
『もちろん!これからはそーいうのばっかりにする』
『へぇ~。そうなんだ…』

今泉との会話が一応の結論に達した。由依としてはもう架空の世界に戻る気はないので、ゴーグルを元の場所に置き、シートから離れることにした。今泉は自分のシートに戻ることもなく、出口の方に向かう。自分のせいで途中のまま終わってしまうのではないかと気になるが、今泉が何も言わないのでまぁいいだろうと由依は思う。

今泉に続いて入口とは違う方から外に出た。2人でしばらく待っていると、次々と仲間が出てくる。その誰もが満足そうな表情を浮かべているので、由依はその中から側に来た何人かに話を聞いてみたが、どんなシチュエーションにしたのか教えてくれる者は1人もおらず、そのあとみんなで帰路についた。

由依たちが寮に戻った。シアターに入場待ちの行列が出来ていると聞かされた居残り班の5人(平手、ねる、梨加、菜々香、音葉)だったが、続いて3D体感シアターの詳細を教えてもらうと、行列に並ぶことも構わないとばかりに、足取りも軽く寮を出発した。


それから1週間が過ぎた。シアターの人気は盛り上がる一方で、テレビ放送もない街で暮らす人々を虜にした。ブラックシープスのみんなも同様で、初日のように何人かで決めて出掛けるのではなく、仲良しペアで好きな時に利用するという流れになった。当初は一歩引いていた白雪姫、アツリーヌ、さーなん、ユキ、モエも、その中に加わった。


◇続く