#3430『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3430『君が隣にいてくれるだけで130 狂い始めた過去と現在』





「KEYABINGO!」( 18/22話)


【出 演】

< 欅 署>
守屋 茜(警部)
志田愛佳(警部補)
今泉佑唯(巡査部長)
小林由依(巡査部長)
北川綾巴(若手巡査)
堀未央奈(若手巡査)

<所轄の刑事>
長沢菜々香
渡辺梨加

<フリーの記者>
長濱ねる
平手友梨奈

<記憶を消された女性たち>
七 瀬(ななまる)
美 彩(シェリー)
佑 美(イマドキ)
玲 香(ブナン)
一 実(コ テ)
沙友理(ユウウツ)
祐 希(祐 希)
桃 子(桃 子)

<未来からの使者>
成 美(倉野尾成美)
ゆうゆ(大谷悠妃)
瑠 夏(井上瑠夏)


成美が過去に戻って書き換えてくれたお陰で、会議室の様子も思惑通りだと安心したゆうゆだったが、またとんでもないことが勃発した。記憶を失ったあと、警察によってここに連れられて来た8人が、バスの転落事故で全員死亡したことになってしまった。成美がどこかで失敗したのか、あるいは時空の歪みが発生したのだろうと考え、ゆうゆは思わず顔をしかめる。


他の刑事たちも事故のニュースをスマホやパソコンで確認し始めたので、室内が騒然となっている。ゆうゆは腹立たしい気分でそんな様子を盗み見ている。こうなったらどんな修羅場になろうとも、ここに留まっている場合ではない。瑠夏と2人ですぐ成美の元に行き、3人で十分に注意して過去を書き換えるしかない。成美1人を送り込んだことを、今となっては後悔するばかりだ。


ゆうゆがすぐに実行しようと思ったら、隣で瑠夏が『キャッ』と小さな悲鳴を上げた。何が起きたのだと思って確かめると、後ろから女に首を腕で巻かれ、拘束されている。もう1人の女は自分の方に向かってくるではないか。背が高くて力も強く、すぐに捕まってしまった。非常事態に備えて装備しているパワースーツを使えば簡単に振りほどけるが、ここは警察署でそのあとのことを考えると、簡単に行使はできない。とんでもない失態をやらかしたとゆうゆが絶望的な気持ちになった時、この騒ぎでドアが開き、刑事たちが一斉に現れ、周りを囲まれてしまった。



会議室は堀の報告によって、思いも寄らない方向に向かい始めた。茜はすぐに自分のパソコンで確認したが、やはり堀が言う通りだ。記憶喪失として保護され、聞き取りを行っている8人は、今朝バスの事故で亡くなっていたのだ。問題の女性たちは、青ざめた顔のまま無表情で椅子に座っている。生き霊か亡霊を相手に、これからどう対応したらいいのだと困惑していたら、今度はドアの方が騒がしい。どうやらこの事実に気付いた記者のねると平手が会議室に入り込もうとした時、覗き見している2人の侵入者を捕まえたようだ。北川と堀が取り囲んでいる。侵入を許した警備の怠慢にイラッとするが、ともかく声を掛ける。

『その2人組は、どこのどいつだ!どうやってここまで忍び込んだ!』


捕まえた2人の侵入者を、今は北川、堀、今泉、小林の4人が取り押さえているので、答えるのは手が空いたねるだ。

『このお二人さん、会議室の前で中の様子を覗いてたの。明らかに部外者だよね。変な服を着てるし、よくここまで誰にも見つからずに来れたなって感じだけど、警備はいったいどうなってるの』

ねるが話し終わると、平手がすぐに続く。

『それより大変なことが起こってるじゃないか!ここに連れて来たのは、今朝のバス事故で亡くなった人たちだろ!どういうことなんだ!説明してもらおうか!』

厄介なねると平手に気付かれてしまい、茜の苛立ちは高まる一方だ。



◇続く