新説『マジすか学園４』
＃3312『君が隣にいてくれるだけで12 由美子のアイディア』
欅坂６期生の一行が中京テレビに到着し、生放送を控える楽屋に、みんなが勢揃いした。
かおたん(松村香織)
瑠 夏(井上瑠夏)
らぶりん(中野愛理)
由美子(瀧野由美子)
欅坂６期生10名
萌 夏(矢作萌夏)
音 葉(町 音葉)
優莉奈(行天優莉奈)
ゆうゆ(大谷悠妃)
ゆいり(村山彩希)
せなたん(石綿星南)
テーブルに合わせてコの字形にみんなが座った中で、由美子が６期生たちに向かって切り出す。
『今夜の放送は出番がないから来ないと言ってたじゃないですか。どーいう風の吹き回しですか？』
６期生の中で、由依が代表して答える。
『番組に出たくて来たんじゃないよ！明日ゆうゆやベマーズの人たちと一緒に、「KEYABINGO!」のあらすじをじっくり話し合って決めるために来たの。うちらは移動中で観てないけど、今日の放送を観てくれてた？ちょっと支離滅裂な話になってたし、映像研を舞台にした物語が完結するんで、次のあらすじを決めることが重要なんでね』
そう言い終えた由依だが、脚本を１人で書いてくれたゆうゆを前にして、「支離滅裂な話」などと口を滑らせてしまい、ゆうゆの方を向けなくなった。だが、ゆうゆ本人もそれは認めていたはずなので、まぁいいだろうと自分に言い聞かせる。すると由美子が余計なフォローに出る。
『「KEYABINGO!」は、みなさんと一緒にここで観てました。前半は現代ミステリー風なのに、後半は風向きが変わってＳＦかホラーみたいな終わり方で、とっても良かったです！凶暴な生き物とみなさんの顔が合成された映像が凄く印象に残りましたから、あーいうのもあり寄りのありですね！明日は次回のあらすじを考えるんですか。私も１つアイディアがあります。言ってもいいですか。もしこの世界から国境が消えたら、争うことなんかなくなるのにってテーマです。どうですかぁ。いいと思いません？最後は美しいその花をずっと守りたいって結末です。これで舵を切っていきましょう！』
由美子の長い説明に、周りがざわつく。せっかく由美子が真面目に発表してくれたので、あしらうのも悪いと思う由依。
『うんうん。なかなかいいアイディアだね。ゆうゆはどう思う？』
由依に振られ、ゆうゆが合わせてくる。
『ゆうも、いいあらすじだと思います。そんなスケールの大きな話をドラマ化したいです。そうだ！由美子さんも明日の打ち合わせに来て、一緒に考えたらどうですか』
『えーっ！本当にいいんですかー』
由美子がゆうゆの軽口を真に受けそうなので、由依が切り上げる。
『うちらはともかく、ベマーズの人たちは由美子に会ったこともないのに、急に明日なんて無理に決まってるでしょ』
『それもそうですよね。じゃあ、ゆうが由美子さんのアイディアとして、出すことにします』
ゆうゆが演技なのか素なのか分からないが、残念そうにして会話が途切れた時、らぶりんが話し始めた。
『あのー、ゆいりちゃんとせなたんだよね。ひなぴよときみちゃんに会うため名古屋に来たってかおたんに聞いたんだけど、そうなの？』
らぶりんに聞かれ、せなたんが答える。
◇続く