#3221『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3221『彼女について知っていること21 窮地の関東レディース』



📺️「シャチホコセブンの世界征服女子」

🌹関東レディース
岡部 麟
小田えりな
吉川七瀬
清水麻璃亜


番組で5分間のアピールタイムをもらった関東レディースの4人。視聴者によるリモコン投票で支持されれば、来週から5分間のコーナーをもらえる。

らぶりんに、『自分たちのタイミングで、さっさとアピールを始めてください!』と言われた。麟が目で合図を送ったのは、4人の中で1番仕切りがうまい七瀬だ。そして喋り始めた。

『はぁーい。テレビの前のみなさん、バッチこーい♪七瀬です。先週はお騒がせしてすみませんでした。でもこう見えてあたしたち、4人で音楽をやってます。週1で大須か栄での路上ライブです!良かったら観に来てください。ヤンキーの集会じゃありませんよ』

すぐに麟から苦情が出る。
『ほら、そういう余計なことを言うから、うちらが危険なやつらだって思われるだろ!あっ、思われるじゃないのー。時代の最先端を行くファッションリーダーを目指してるのに~。あっ、あたしはウェンディこと、麟です。よろしくね💕』

ここで、おだえりが加わる。
『みなさん、おだえりなさーい♪えりえりおーのおだえりです。わたくしはソロでオダエリサイタルをやってます。よろしくお願いしまーす!今後はこの番組にレギュラー出演して、いろいろな情報を発信していきたいと思っていますので、関東レディースのことをよろしくお願いしまーす!』


ポーズを決めるおだえりに対し、雛壇から『つまんねえぞー!』のヤジがいくつか飛ぶ。

そこでおだえりがスタジオのモニターを確認してみると、赤ボタンの数が青ボタンの数をかなり上回っている。数字にはっきり表れるので、こんな調子では、レギュラー枠を掴み取ることは不可能に思ってしまう。

麻璃亜も危機感を覚えている。このあとは各自の特技を披露してアピールするのだが、これではとても無理だと判断した。そこで思い出した。ここに来る前、「はつもり」でみんなと話していたことを。人気の瑠夏を引っ張り出して絡んでいけば、取りあえずウケるだろうとの話だった。他人の力を借りるのは不本意だが、もうあとがないので仕方なく実行する。

『あーっ、ちょっと待ったぁ。あたしは「はつもり」の厨房で料理を作っている麻璃亜ですけど、ここで提案があります。雛壇で見ているるーちゃん!こっちまで出て来てくれないかなぁ』

名前を呼ばれた瑠夏がビックリしたあと、すぐに立ち上がった。時間がないので小走りで前に出てくると、横に並んだ。そこで麻璃亜が話し掛ける。
『るーちゃんって、最近凄い人気だよね。うちらもるーちゃんにあやかりたいんだけど』
瑠夏が取りあえず話を合わせる。
『そんなことないですよ~。関東レディースのみなさんこそ、カッコいいしケンカも強いから、るかは憧れています♪』
時間が限られているので、本題に入る麻璃亜。
『るーちゃんに、お願いがあるの。うちらに撮れ高のある一発ギャグを教えてくれないかなぁ。つかみに使えるやつが欲しいんだけど。るーちゃんなら、いろんなレパートリーがあるでしょ』
乗せられているとは思わず、ムチャぶりに応える瑠夏だ。
『そうですねぇ。まぁ、ないこともないですよ。るかはギャグだとは思ってないですけど。やりましょうか?』
『うん、やってみて!』
『その代わり、るかがやったら関東レディースのみなさんも、すぐにここでやってくれますか?』

麻璃亜が考える。たとえ恥ずかしい一発ギャグでも、そのくらいの覚悟はしている。そもそも恥ずかしいことを、アイドルの瑠夏がするとは思っていない。
『もちろん!必ずやるから、やってみて!』
『はい!じゃあ、やりますね。“るか、おこだぞ”』


瑠夏が頭の上でハートマークを作り、おどけたおこポーズをやった。これをやるのかと腰が引け、顔が引きつる麻璃亜だ。すると瑠夏に突っ込まれた。
『どうしたんですかぁ。まさか、やらないことないですよね。必ずやるって約束したじゃないですかー』

麻璃亜が瑠夏に迫られ、さらには雛壇からまたヤジが飛び始めた。言い訳でもして時間を潰しているうちに時間切れなどというのは絶対に避けたい。ここで麟が先に腹をくくった。
『ああ。やるって約束したんだからやってやるよ!いいか、よーく見とけよ!麟、おこだぞ』
ポーズもきっちり決めたら、雛壇が一変して笑いに包まれた。だが失笑に近い。麟は顔が赤くなるのが自分でも分かる。そんな中でリモコン投票の経過を見てみたら、青の票数が一気に増えて、赤に迫ろうとしている。


◇続く