＃3167『マジすか学園４』

新説『マジすか学園４』

＃3167『君のことをもっと知りたい117 音葉の覚悟』

日テレの楽屋に一番乗りしたのは、祐希と桃子、それに瑠夏の３人だ。今日の出演者たちが瑠夏にドッキリを仕掛けようとしているとは、夢にも思っていない。

やがて到着したのは、すちーずの東京に住んでいる３人組で、先頭で楽屋に現れたのは萌夏だ。

『おはようございます♪あー！るーちゃん、何でいるの？』

既にドッキリが始まっているとも知らない瑠夏が、陽気に答える。

『おはようございます☺️今日は祐希ちゃんとももちゃんに、連れて来てもらいました。ピースさんやオイラーズのみなさんに紹介してもらいたいなって』

ユナが加わる。

『あー、それってもしかして、この番組に出して欲しいってアピールするためっていうのも、あるんじゃないの？』

瑠夏は上機嫌だ。

『正直に言うと、それもちょっとあります。もっとたくさんの番組に出て、頑張ってやっていこうと思ってます！』

音葉が瑠夏を後押しする。

『るーちゃんだったら、絶対こっちの番組でもすぐに馴染んで、人気になると思うなー。音葉も一緒にいろんなことやりたいし♪』

『そうなんですかぁ～。ありがとうございます！実は今日ちょっと不安だったんです。るかがいきなりオイラーズさんの番組に出ようとしてるって、叩かれるんじゃないかって。でもそんなふうに言ってもらえて、嬉しいです🎶今日はよろしくお願いしますね』

ドッキリに乗っかった音葉だが、自分のひと言に瑠夏がこんなにも反応してしまって、あとでドッキリだったと分かった時に、お互いの胸が痛みそうだなと思ってしまうが、こうなった以上はもう後戻りできないと諦めた。あとはこんなドッキリを考えたピースたちに任せ、自分は一歩引いて見ていようと決めた。

一方、祐希の方は、やはり思っていた通りになったことで、瑠夏がみんなに受け入れられているのだと再認識した。次に楽屋へやって来るのは、オイラーズの一行か、カムカムフレイバーのどちらかだろうと思っていたら、近付いて来る足音と声で、カムカムフレイバーだと分かった。瑠夏の話では、シャチホコハウスで顔を合わせたことがあるし、フリーマーケットを一緒にやっただけでなく、よこにゃんとは普段から連絡を取り合っている仲らしいので、今度も受け入れられることは確実だろうと予想する。

その少し前、萌夏たちより10分程遅れて地下歩道を歩いているカムカムフレイバーの４人。

🎗️カムカムフレイバー

よこにゃん(SKE48 北川愛乃)

はたごん(SKE48 髙畑結希)

ちかこ(SKE48 松本慈子)

優莉奈(AKB48 行天優莉奈)

出演者たちによる大掛かりなドッキリを瑠夏に仕掛けるとのメールを読み、ただ１人難色を示しているのは、瑠夏と連絡を取り合っているよこにゃんだ。

口数が少ないよこにゃんに、はたごんが声を掛ける。

『るーちゃんは、祐希と桃子に連れて来てもらって楽屋にいるはずだから、ちゃんと打ち合わせ通りにやらないとダメだよ。分かってる？』

よこにゃんが、下を向いて歩きながら答える。

『私はるーちゃんを騙すなんて、なんか気が重いです…』

ちかこが声を大にして言う。

『騙すんとはちゃうやん。ドッキリなんだから、割り切ってやればいいねんで。最後にはネタばらしするんやで、るーちゃんにとってはおいしい展開になると思うねんけど』

『はぁ💨ですけど、ドッキリって騙すことと同じじゃないですか。るーちゃんって、ああ見えて傷付きやすい子なんで心配なんです💧』

腰が引けているよこにゃんに、優莉奈がきつく言う。

◇続く