#2851『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2851『🆕たとえ桜の花びらが散ったとしても…01 ドラマ撮影を終えて…』


いつものようにADが『はい、カットー!』の大声を上げ、「SF翼のない白雪姫」の撮影が終わった。ラストシーンになった帰り道はすっかり暗くなってしまったが、ドラマの中では昼下がりの設定なので、CGで対応する。ライブや祝典に集まった大勢の観衆も、ほぼCGだ。

出演者のみんなは、この場にしばらく残ってセットの後片付けをするスタッフに挨拶をすると、急いでロケバスに向かう。東京駅で降り、リニアに乗って名古屋の中京テレビを目指すのは、今週も欅坂6期生、すちーずの萌夏と音葉、それに唯一名古屋在住のゆうゆだ。


ロケバスに乗り、ドラマの衣装から私服に着替え終わると、ロケバスが発車した。ゆうゆは近くに座っている「はた屋」の4人に話し掛ける。ラストシーンでのセリフのように、来週は都会のテレビ局が舞台になるようなので、出番が多くて今から楽しみだ。最初こそ都会のアイドルとして妖精に成りすまし、出ずっぱりの主役だったが、その後の3週は出番がとても少なかった。
『お疲れ様でした。今週ははたごんが作ってくれるうどんを食べるシーンがなかったので、物足りなかったですよー』
ゆうゆに話し掛けられたはたごんが、最初に脚本を読んだ時のことを思い出す。来週の出番はあるのだろうかと心配していたら、ラストでやっと「はた屋」として都会のテレビ局に呼んでもらえると分かった。最後のセリフになった、『もー💨それを早く言ってよ~』は、素の気持ちで喋ったも同然だ。
『そうだったんだ!でも来週はゆうゆの出番が多そうで良かったじゃない。私たちも頑張って目立たないといけないから、いろいろ見せ場を用意してよね!』
ゆうゆが、『えー、でもゆうは脚本通りに演じなきゃいけないんで、そんな権限はないですよー』と真に受けたので、ちかこと優莉奈が笑い出した。そのあと喋り出すのはよこにゃんだ。
『私たちにも食べさせて頂いたステーキさんは、本当においしかったですよね♪私はすっかり満足です♪スタッフの皆さまに感謝です♪』

ドラマの中でゆいりに招待され、ステーキを食べたのはブラックシープスの16人にゆいりとせなたんだが、監督やプロデューサーの計らいで、出番がないこの5人にも同じステーキがロケ弁として用意された。そんな会話をしていると、空いているゆうゆの隣に、前の座席から移った有紀奈が座った。
『よこにゃんがステーキに“さん”を付けるの、何かおかしくない?』
有紀奈に教えるのはちかこだ。
『よこにゃんの“さん”付けの基準は、いろいろあるの。ちかもまだ把握しきれてないんだけど』
有紀奈はまだ言いたいことがある。
『へぇー。そうなの。それよりさぁ、ロケ隊のルールを忘れてない?年齢やキャリアに関係なくタメ口でしょ。なのにさっきから聞いてると、ゆうゆとよこにゃんは守ってないよね。特にゆうゆはドラマの中だと上から発言するちょっぴり生意気なアイドルなのに、撮影が終わったらわざわざ敬語に戻すなんて、毎回大変じゃないの』
ゆうゆがすぐに理由を話す。
『ロケ隊のルールは先週初めて知ったんですよ💦それまで誰も教えてくれなかったじゃないですか~。でもゆうは出演者の皆さんの中で1番年下ですから、無理にタメ口にはしないで、今まで通りで行くって先週決めました』
『あれ、そうだった?ゆうゆがそう言うなら、別に構わないけどね。じゃあ、よこにゃんは?』

有紀奈に振られてよこにゃんが困っているようなので、代わりに優莉奈が話す。
『よこにゃんはずっと敬語にゃんなので、この調子で話さないとペースがおかしくなっちゃうから、そっとしといてあげて』
『敬語にゃん?よく分からないけど、それがよこにゃんのペースなら、その方がいいよね』
そう答える有紀奈に、今度は優莉奈から質問が飛ぶ。


◇続く