#2700(後編)『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2700(後編)『いつかこの空が晴れる日まで100(後編) 快晴の空の下で…』


「SF翼のない白雪姫(最終話)」

<ブラックシープス>
今泉佑唯
小林由依
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
白雪姫・みーおん(向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(高寺沙菜)
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)

<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(チーム8 行天優莉奈)

<都会のアイドル>
ゆうゆ(SKE48 大谷悠妃)

<ヒナターズ>
シ ホ(日向坂46 加藤史帆)
きょんこ(日向坂46 齊藤京子)
みーぱん(日向坂46 佐々木美玲)
美 穂(日向坂46 渡邉美穂)

<謎の姉妹>
姉  ゆいり(AKB48 村山彩希)
妹  せなたん(AKB48 石綿星南)



朝食のテーブルで、さーなんとユキとモエの3人は、すっかり元気を取り戻している。死神だと思っていた黒い影が、実は家畜の動物霊だったので、自分たちに影響が及ぶことはないと分かったからだ。ただこんなことなら恐怖に怯えることなく、ゆいりとせなたんを助けてあげれば良かったと後悔する気持ちが、今も残っている。

そんな中、席を立ったアツリーヌが部屋の窓から外を眺めた。あの騒動があった翌日から、ずっと雨模様の天気が続いて気分も晴れなかった。この空が晴れる日はいったいいつなのだろうと思っていたら、昨日の夕方にやっと雨がやんだ。そして今朝から久し振りの快晴だ。そんな空を見て、朝食の後片付けを済ませたら畑を耕しに行こうと決めた。連日の雨で農作業の当番が誰なのか分からなくなってしまったが、あの日の翌日は自分が当番で、ゆいりとせなたんに取り立ての野菜を食べさせてあげると約束したことを、忘れてはいない。

朝食が終わり、みんなが自由に過ごす時間に入った。アツリーヌが農作業の服に着替えるのを見て、白雪姫と佑唯が加わった。3人で農具を持って寮を出ると、すぐ側にある畑へ向かった。久し振りに浴びる太陽の光がとても心地良いなと思いながらアツリーヌが歩いていると、畑には既に音葉が来ている。父親と暮らしているので、いつもこのくらいの時間になると寮に来るのだが、今日は畑が気になっているみたいだ。そして目が合うと、音葉が喋り掛けてきた。
『まだ地面がぬかるんでるから、今日は無理かもしれないよ。明日まで待とうか』
アツリーヌもそう思う。1日待った方が、作業はスムースに行くだろうと。そんな時、佑唯が『あーっ!』と声を出すので、何だろうと思って振り返ると、薄紫とピンクの蝶がヒラヒラと近くを飛んでいる。その色を見て4人が同時に思い浮かべたのは、ゆいりとせなたんが着ていたTシャツと同じということだ。そして畑で取り立ての野菜を一緒に食べようと約束していたことを思い出す。そんな今の気持ちを、音葉が口にした。
『この蝶って、ゆいりとせなたんじゃないの?そうでなきゃ、こんな偶然なんてないよ!』

佑唯はこんなことがあるのかと半信半疑だが、さらに音葉が信じられない行動に出た。
『ゆいりとせなたんだよね?そうだったら、ゆいりは音葉の右手の人差し指にとまって。せなたんは左手の人差し指ね』
そう言って両手を顔の前で広げると、ヒラヒラと舞っていた薄紫とピンクの蝶が、言われた通りの指にとまった。音葉は飛び跳ねたいほど嬉しいが、蝶をびっくりさせてはいけないので我慢する。代わりに佑唯が嬉しさを爆発させる。
『凄ーい!!この蝶って、絶対にゆいりとせなたんだよ!こんな奇跡みたいなことがあるんだね!』
そう言い、音葉の代わりに飛び跳ねて喜ぶ。さらに白雪姫が試しに言ってみる。
『せなたん。私の方にも来てよー』

するとピンクの蝶が音葉の人差し指から離れ、ヒラヒラと舞いながら最後は白雪姫の肩にとまった。白雪姫は目を大きく見開いたまま、固まってしまう。そこで疑問を口にするのは佑唯だ。
『ゆいりとせなたんは蝶に生まれ変わったのか、それとも最初は蝶だったのか、どっちだろう?』
アツリーヌが重要なことに気付く。
『2人は最初からこの色のTシャツを着ていたのだから、元々は蝶だったと思うな。何かが起こって人間の姿になって、また蝶に戻ったんじゃないかな』
佑唯もその通りだと思うが、気になることがある。
『このままずっと外にいたら危険だよ。寮の部屋にいた方が安全だから、すぐに戻ろう!あとでヒナターズやよこにゃんたちにも教えなきゃ!』

みんなの考えが一致し、寮へ帰ることにした。蝶は相変わらず音葉の右手と、白雪姫の肩にとまっている。寮の玄関を通り抜けてみんなが集まる部屋に入ろうとしたら、ちょうど中から茜と愛佳が出て来て、鉢合わせになった。音葉が2人に蝶のことを説明しようとしたら、その前に蝶が仲良く揃ってヒラヒラと2人の方へ向かった。ところが茜と愛佳は蝶が苦手だということを、誰も知らない。『キャー!』と言いながら振り返って部屋に引っ込んだが、勢い良くドアを閉めたので、姉妹の蝶が無惨にもドアに挟まれてしまった。ちぎれた羽と、つぶれた胴体から流れる液体を見て、白雪姫たち4人はあまりのショックに悲鳴を上げることも、身体を動かすことも出来ず、ただ呆然と立ち尽くした…。


「いつかこの空が晴れる日まで」

                   <終>