#2560『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

ブログの説明を入力します。

 
新説『マジすか学園4』

#2560『この春が終わるまでに…10 坂道と埠頭の出会い』


中京テレビの楽屋で顔を合わせたすちーずとSTUでんつ。スタジオに移動してリハーサルを済ませ、再び楽屋に戻った。最初はマネージャーの由美子がすちーずと会話しただけだったが、中京テレビに来る前から意思の疎通を図っていた愛理と心愛を中心にして、同年代らしく次第に会話の機会が増えた。中でも先週土曜日にオイラーズの番組でギクシャクしてしまったと聞いている美月は、積極的にすちーずのみんなに話し掛けた。すちーずの方も思いは同じだ。

午後6時頃になると、楽屋にデリバリーされた弁当をみんなで一緒に食べ、リラックスしたあと衣装に着替えた。そして午前0時からの生放送まで1時間を切ると、スタジオに向かった。そこで最終打ち合わせをし、観覧席にファンを通し、あと20分程になった頃、欅坂6期生たちが番組で着る私服姿でスタジオに到着した。すちーずの萌夏と音葉、それによこにゃんも一緒だ。自宅に帰るゆうゆとは、名古屋駅で別れた。

ここまでにSTUでんつとすちーずのみんなが打ち解けてくれてホッとしているかおたんだが、欅坂6期生たちがどんな態度に出てくるかは、全く分からない。STUでんつとは初対面なのに、20分弱の間に打ち解けられるはずないので最初から諦め、欅坂6期生のみんなに任そうと思っている。ただし先週土曜日に放送されたオイラーズの番組で、STUでんつとオイラーズは別々のコーナーに登場したが、今日は欅坂6期生を含めた3グループを並び立たせるようMCのくれなに指示してある。その結果どんなことになるかは、成り行き次第だ。

生放送直前のスタジオに、欅坂6期生と萌夏と音葉がやって来て、『おはようございま~す』の挨拶が飛び交っている。スタジオ待機組で誰が前に出るのか、かおたんが後ろに下がって見ていたら、ハウスで欅坂6期生と泊まることが続いているユナだ。
『今日はSTUでんつの子たちが、新曲のPRをするためゲスト出演するんだって。聞いてるよね。こっちにいるのがキャプテンの美月ちゃんで、あとは心愛ちゃんと舞羽ちゃんと千穂ちゃん』
名前を呼ばれた4人が、『よろしくお願いします!』と言いながら軽く頭を下げると、欅坂6期生の方も何となく同じようにした。そのあと今泉佑唯が話し始めた。
『みんな可愛い子ばっかりですね。明日CDデビューするんですか。しっかりPRしちゃってください』
4人が『ありがとうございます!』とお礼を言ったあと、小林由依が知っていながら指摘する。
『あれっ。この前、アニソンを歌った子は来てないの?会ってみたかったのに』
美月がきちんと教える。
『はいっ。実優菜のことですよね。あの子はオイラーズさんの番組担当で、私たち4人はシャチホコセブンさんの番組担当なんです』
『そっか。2つの番組でしっかりPRするってことなんだ』
『えっ、あ、はい…』
人気アイドルの由依に言われ、つい認めてしまった美月だが、実際は違う。番組にゲスト出演してくれないかと言ってきたのは、シャチホコセブンのかおたんと、オイラーズのピースの方だ。でもそこを訂正したら何て思われるだろうかと考えていたら、はるたむが救ってくれた。
『そうじゃない!全く逆で、こっちが出て欲しいってお願いしたの!人気になりそうな子を先取りして、どんどんゲストに呼ぶっていうのがウリの番組だからね♪』
由依が取りあえず納得すると、今度は守屋 茜が疑問に思っていたことを聞く。
『今日はどんなことをやるか、誰か聞いてる?』
答えるのは、ハウスでかおたんと暮らしている愛理だ。
『先週やった「プライド対決」は、1試合だけやるそうだよ。あとはSTUでんつの子たちがデビュー曲のPRをする以外は、かおたんが何も教えてくれなかった。ガチなリアクションが重要なんだって』
『ふぅ~ん。そんなことだろうと思ってた。いつものことだから、もう慣れたし』
茜が余裕を見せた時、愛理が欅坂6期生とよこにゃんの後方に控える女性たちを指差した。
『あーっ、そこの3人知ってる~。この前、白雪姫のドラマに出てた人たちだ。ついて来ちゃったの~?』
すちーずとSTUでんつのみんなの視線が、はたごんとちかこと優莉奈の3人に集まった。


◇続く