#2336『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2336『坂道に吹く風36 祐希の決断』




『KEYABINGO!」(7/12話)

<出  演>
今泉佑唯
小林由依
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
長沢菜々香
渡辺梨加
リョウ(北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)

ななまる(西野七瀬)
シェリー(衛藤美彩)
イマドキ(若月佑美)
コ        テ(高山一実)
ブ  ナ  ン(桜井玲香)
ユウウツ(松村沙友理)
祐        希(与田祐希)
桃        子(大園桃子)


ななまるの提案にシェリーが乗っかり、秋の文化祭で行うお化け屋敷で、桃子が幽霊役をやらされることになった。茜と愛佳は、ななまるたちと無用の衝突を避けるためか黙って見ている。桃子と唯一仲が良い祐希は心配に思っているが、ななまるに意見したベリカが一蹴されてしまったので、自分が言っても同じだろうと諦めてしまった。そんな中で、どちらのグループともつるんでいないリョウが、ななまるとシェリーに向けて言い放った。
『誰も幽霊の役なんてやりたくないのに、いい気なもんだよなー。人に押し付けるより、自分たちでやってみろって話だ。その怖い顔を見たら見物客が怖がって逃げてくぞ』
クラスのみんなが見ているので、ななまるが強気に言い返す。
『普段からクラスの活動に参加しないくせに、何を言っても説得力ないんだけど』
ななまるの指摘が確かなので、リョウはこれ以上絡んだりしない。桃子のことにも興味がないので、鞄を持って席を立ち、教室から出て行こうとすると、シェリーから声が掛かった。
『あれ、またいなくなっちゃうのー』
リョウが背中を向けて答える。
『話し合いは終わったんだろ。だったらもういいじゃないか』
『いても何かするわけでもないし、別に構わないよ』

シェリーにきつい返しをされ、リョウは足音を立てて扉に向かうと、勢い良く開いたあと黙って出て行った。そのあと、残っている者の担当を決めることになった。受付係・呼び込み・裏方などが続々と決まる中、祐希はある決心をした。それをみんなに告げる。
『私も桃子と一緒に幽霊役をする!』
みんなは唖然としているが、教壇に立っているブナンが、深く考えもせず祐希に確認を取る。
『祐希も幽霊になるの?それなら幽霊は2人体制かぁ。その方がいいかもね。じゃあ、そうしよう!他に幽霊をやりたいって子はいる?いないか…』

このあと全員の役割が決まり、解散することになった。桃子が幽霊役にされることを阻止出来なかった分、桃子1人だけに嫌な思いをさせることはしないという、祐希の決断だった。

祐希が席を立つと、桃子が『良かったの?』と聞いてくるので、『平気だって。人を驚かすなんて、1度やってみたいくらいだったから』と言うと、桃子が少しだけ笑ってくれた。


文化祭の前日に、丸一日かけて模擬店の準備をすることになった。事前に用意しておいた仕切りで教室をいくつかのスペースに区切り、そこにお化け屋敷らしく見える小道具をいくつもセッティングし、全体のレイアウトを整えた。見物客が進路を進んで一番奥の部屋に入ると、幽霊に扮した桃子と祐希が潜んでいて、最後に驚かすことになっている。


一夜明けて文化祭の当日になった。ここで予期していなかったことが起きた。それは桃子の携帯にメールで連絡が入ったので、登校してからクラスメイトに伝える。教室にはお化け屋敷が出来上がっていて、みんなのテンションも上がっているようだ。
『あのー、祐希からメールが来て、急に熱が出たから休むって…』
その場にいた者が『えーっ!!』と驚いたあと、ななまるが言ってきた。
『立候補までしたくせに、やりたくなくなってズル休みなんじゃないのー。いいよ、別に。祐希なんて当てにしてなかったから。桃子が1人でやってくれるんでしょ?』
みんなの視線を浴び、桃子に断るという選択肢はない。
『うん。分かってる。私ひとりでもやる…』
『さすが桃子だー』
ななまるがオーバーに喜んだ。


◇続く