#2311『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2311『坂道に吹く風11 古畑奈和とはるたむ』


古畑奈和が乱入したことで、萌夏(矢作萌夏)とのじのじ(野島樺乃)の歌唱力対決が流れてしまった。このあとシャチホコセブンのコーナーが控えているので、CMの間に大人しく雛壇に下がる萌夏とのじのじだが、それを見ていた古畑奈和が黙っていない。
『それじゃあ、私が歌わせてもらおうかな♪この前リリースしたミニアルバムの1曲目に入ってる「本性」がいいかしら。音声さん、カラオケ用意出来ますかー』

シャチホコセブンのメンバーは、リョウ(北川綾巴)・カチドキ(堀 未央奈)・成美(倉野尾成美)の3人を除いて、Tシャツとハーフパンツに着替えている。その中からはるたむ(二村春香)・あんにゃ(石田安奈)・ユウカ(田野優花)・カレン(岩田華怜)が出て来て、奈和を包囲する。

『ちょっと、あんたたち何よ!私に触らないで!』
抗議する奈和に対し、ユウカが言い返す。
『触らないでじゃないだろー。勝手に乱入しといてコーナーを潰して、このあとも居座ろうってつもりかよ!』
『CMのあと、私が歌うんじゃないの!』
『そんな時間はもうないんだっつうーの!残りはうちらシャチホコセブンのコーナーだ。言うこと聞かないんだったら連れ出すぞ!』
『やれるもんなら、やってみなさいよ!』
引かない奈和に対し、4人がかりで何とかセットの外に連れ出した。照明が当たらなくなった途端、奈和は大人しくなった。

CMが終わるまでにユウカたちが急いで戻り、リョウとカチドキとさらに成美を除いたメンバーで「乳首当てゲーム」に挑戦し、盛り上がったままこの日の生放送が終わった。


楽屋へ引き上げる途中、かおたんは考えてみる。奈和の乱入を許したため、事前に告知していた萌夏とのじのじの歌対決が実現せずに終わってしまった。これでは炎上してしまうかもしれない。それでもスタッフから聞いたリアルタイム視聴率は上々だったので、のじのじをゲストに招いたことは成功したと言える。のじのじを来週もゲストに呼んでもいいが、その前にピースと約束した通り、今週末にオイラーズの番組に出演するので、そこで先に歌ってしまうだろう。残念な気もするが、今日の放送はこれで良かったと思うしかない。


楽屋でみんなが着替えていると、神妙な顔をした奈和が入って来た。
『あのー、私、今日皆さんの迷惑になるようなこと、してませんでしたか…』
みんなが呆れている中、以前被害に遭ったことがあるごりさ(後藤理沙子)が、ヤレヤレと思いながら対応する。
『また覚えてないとか言い出すつもりー?』
奈和が素直に認める。
『はい…。中京テレビにやって来たところくらいまでは覚えてるんですけど、そのあとのはっきりした記憶がなくて…。ただ皆さんが怖い顔をして、私を連れ出そうしたことは覚えてるんです…』
指摘するごりさ。
『その原因は自分にあるんだよ!』
『えっ💦私が何をしたんですか…』
『記憶がないって謝罪しても手遅れなんだよ!教える気もしない。知りたかったらネットの反応でも読んでみたら?』
『私、ネットは読まないの。あーっ、それより今夜、シャチホコハウスに泊めてもらえますよね?』
かおたんがたまらず声を上げる。
『えーっ、ホテルとか予約してないんかてー』
『はいっ。急に来ることになったし、前にも泊めてもらったからいいですよね?』
『今日は萌夏が泊まるんだで、奈和ちゃんまで予定しとらんがねー』
引き下がらない奈和。
『私、知ってますよ。欅坂の子たちがゲストで出た時は、ハウスに泊まってるって。あんな大勢が泊まってるんだから、私1人くらいいいじゃないですか』

そこではるたむが奈和のフォローに回る。
『泊めてあげればいいじゃない♪もしかおたんがダメって言うなら、私の部屋で泊まってもらうから♪』
はるたむがそこまで言うならと、かおたんが了解する。
『ダメってことないわー。泊まりゃあいいがね。好きなだけ泊まってきゃあ』
奈和が笑顔を浮かべる。
『はるたむ、ありがとー。やっぱりはるたむは頼りになるわ。昔からの親友みたい。それから明日にはリニアで帰ります』



奈和の話を聞いて、萌夏がすぐに気付いた。
『明日リニアで帰るんですか?』
『そうよ。せっかくだから萌夏ちゃんと一緒に帰ろうかな』
奈和の返答を聞いて、萌夏は少し焦った。名古屋へ来る時に一緒だったリョウとカチドキは、こっちに実家があるので帰りは1人になる予定だった。それが生放送で豹変したばかりの奈和が一緒では、どうなってしまうか分からない。不安に思うが断ったりは出来ないので、受け入れるしかない。
『はい。分かりました。一緒に帰りましょう』

かおたんは2人の会話を聞いていた。萌夏が珍しく心配そうな表情を浮かべたのとは対照的に、奈和がニッコリ微笑んでいる。豹変するきっかけになるようなことが起きなければ、萌夏の帰路は奈和に任せておけばいいだろうと考えた。ちょうどその頃みんなの着替えが終わった。あとはいつものジャンボタクシーに乗ってハウスに帰るだけだ。


◇続く