#2300(11/21話)『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2300(11/21話)『混じり合う坂道50 ロケバスでの会話』


欅坂6期生たちはラジオ局での仕事を終え、翌日の日曜日は雑誌の取材や、ダンスとボーカルのレッスンを受けるなどして過ごした。

月曜日になると「SF翼のない白雪姫」の脚本が届いたので時間をもらい、ドラマの世界をイメージしながら、みんなでセリフを覚えることに集中した。


そして撮影が行われる火曜日の早朝になった。欅寮にロケバスが到着したので、6期生10人が乗り込んだ。最初に停まった地点で音葉が乗って来て、次は有紀奈と萌夏の姉妹。続いて美音とさーなんが揃って乗り込み、最後に前田敦子が乗ってからは、いつものロケ地までノンストップで向かう。

6期生たちはロケバスの後部座席に集まっているが、守屋 茜が美音とさーなんを呼び寄せた。土曜日に放送されたオイラーズの番組でMCをしていたので、いろいろ聞きたいことがある。2人が来たので、茜が早速聞いてみる。
『みーおんとさーなんは、オイラーズの番組でどうしてミラクルトリップに参加しなかったの?』
美音がさーなんの方を見てから、教えてくれる。
『私たちはMCでしょ。番組が混乱すると最後に仕切れないから、除外してもらったの』
『そうだったんだ』
『うん。どんなミラクルトリップになるかは誰も知らされてなかったから、オイラーズのメンバーは放送が終わってからも、まだどこかおかしかったよ。桜花ちゃんの催眠から解放されてなかったみたい』
『うちらの時もそうだった。それと2人のうち、ゆななの連絡先って聞いてない?』
美音が首を振る。
『私は聞いてないけど、さーなんは聞いた?』
即答するさーなん。
『私も聞いてなーい』
茜が問い詰める。
『番組で何度も共演してるのに、連絡先を交換しないの?』
『うーん。私はゆななとは対立してるって立ち位置でやってるから、楽屋でみんなと一緒にいる時もそうしてるの。ゆななはいい子だけど、仲良くはしてないんだよね』
さーなんにそう言われたので、茜は納得するしかなかった。すると今泉佑唯が別の話題を持ち出した。
『今日のゲストって、誰が出ると思う?』

先週は大学で演技を学んでいるシホ(加藤史帆)が出演し、マーメイド役を体当たり演技でこなした。今日は複数の新しいキャストが登場することになっているが、誰になるのかはまだ知らされていない。そこで小林由依が自分の考えを言ってみる。
『アンダー16連合じゃないのー』
ライバル関係にあるグループの名前が出て何人かがざわついているが、茜がスマホで何かを素早くチェックしたあと、結果をみんなに伝える。
『ホームページを見たら、今日は名古屋でファンイベントをやる予定になってるから、撮影は無理だよ』
志田愛佳が一番に反応した。
『あいつらホームページなんて作ってるの?』
『うん。ちょっと前に作ったみたい』

アンダー16連合は無理と分かり、長濱ねるが別のグループを挙げてみる。
『うちらが初森第二の人たちとKEYABINGO!の収録をしたって知られてるはずだから、もしかしたらその初森第二かもしれなくない?』
再び茜がスマホの画面に目をやった。
『食べログを見たんだけど、今日はもんじゃの店が“営業”ってなってるから、初森第二じゃないよ』
『そっか。じゃあ今人気になってるグループって言ったら…、ラストアイドルファミリーとかは?ちょうど行進企画が終わったところだし』
ねるから思わぬ名前が飛び出して場の空気が引き締まる中、由依が疑問を口にする。
『ラストアイドルファミリーとうちらを絡ませたりなんてするかな?つうか、今は誰が人気なの?』
みんなが顔を見合わせる中、佑唯が知っていることを伝える。
『新体制になった今の人気ツートップは、朝日花奈ちゃんと石川夏海ちゃんだよ。あの2人、可愛いから』
驚く由依。
『へぇー。今泉はよく知ってるねー』
『うん。でも意外とシュークリームロケッツの方かもしれないな』

すると美音が話に加わった。
『シュークリーム何とかってアイドルグループがいるの?知らなかったぁー』
すぐに愛佳が美音に突っ込む。
『食べ物の話になると黙ってられないね。つうか、みーおん。最近ちょっと太ったんじゃない?』
美音がふて腐れてしまう。
『太ってなんかないよ。私って、実は着太りする方だから』
愛佳が構わず続ける。
『大丈夫?ドラマの中で贅沢な暮らしなんてしてないんだから、主役が太っちゃったらおかしいんだけど』
美音が困っていると、ベリカが『総監督になって、ストレスがたまったってことにしちゃえば?』と提案したので、何人かがクスクスと笑い出した。

一方、ロケバスで6期生たちと離れた前の方に座っているのは、有紀奈と萌夏の2人だ。今日が4度目の出演になるが、これまでの幽霊役でドラマの後半に顔を見せていたのとは違い、今回は最初から登場して出番が増えている。萌夏に歌うシーンが用意されたのは、先週の火曜日にシャチホコセブンの番組に揃ってゲスト出演し、アピールに成功した結果だと2人は思っている。有紀奈は妹の萌夏のことが気になるので、声を掛けてみた。
『大丈夫?緊張してない?』
萌夏が平気そうに答える。
『私なら全然大丈夫だよ!お姉ちゃんの方こそ緊張してない?うまく歌えるの?』
『うん。まぁ、何とか』
そう言いながら、有紀奈は頼もしい妹をじっと見つめた。


◇続く