#2298『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

ブログの説明を入力します。

  
新説『マジすか学園4』

#2298『混じり合う坂道48 アイドルの確執』


「マジすか!ぽんこつ学園」の生放送が始まるまで、あと数10秒になった。美音はいつもの衣装を着て、さーなんと並んでMCポジションに立っている。




“さなみーおん”は、先週の放送でMCの座を懸けて“すがバター”と対決した。最後はさーなんとゆななの腕相撲対決になり、長期戦の末さーなんが負けそうになったので美音が乱入し、勝負をぶち壊した。そのあと泣きを入れたことが功を奏して、ピースが“さなみーおん”のMC継続を明言してくれた。一方敗れた“すがバター”は、オイラーズと一緒に大人しく雛壇に座っている。

本番前の楽屋で、オイラーズのメンバーが散々桜花のことを煽って怒らせたが、美音自身は黙って成り行きを見守っていた。さーなんもそうだった。桜花はついに楽屋から出て行ってしまったが、頭のいい子だから全て分かっての行動だったように美音は思っている。そのあとみんなでスタジオ入りした際に、桜花は時々笑みさえ浮かべて平然としていた。どんなミラクルトリップをして見せてくれるのか教えてくれなかったが、何か仕掛けてくることは間違いない。今日の放送はミラクルトリップ頼みなので、オープニングで恒例になっている“すがバター”とのバトルトークと、エンディング前のオイラーズと亜柚香たちのスタジオライブ以外は何もリハーサルしていないため、MCとして腕の見せどころだ。やがてスタッフのカウントダウンが始まり、生放送がスタートした。

<出演者>
✨オイラーズ
パ ル(島崎遥香)
ピース(木崎ゆりあ)
小 耳(矢神久美)
なんてね(木本花音)
名無し(川栄李奈)
すだち(市川美織)
ショッカク(加藤玲奈)
みなるん(大場美奈)
メッシ(高橋朱里)
ミ ユ(竹内美宥)
リオン(東  李苑)

<M  C>
さーなん(高寺沙菜)
美 音(向井地美音)

<ゲスト>
菅原まや(SKE48 菅原茉椰)
ゆなな(SKE48 小畑優奈)

桜 花(SKE48 末永桜花)
亜柚香(SKE48 上村亜柚香)
愛 理(SKE48 水野愛理)


スポットライトが当たっていることを確認し、美音が話し始める。
『皆さん、こんにちはー。今週も私たち“さなみーおん”がMCをやらせてもらいます!』
隣に立つさーなんがすぐに続く。
『MCは“さなみーおん”で固定だからね!』

ここで予定通り“すがバター”が前に出て来た。お揃いの衣装を着ていて、菅原が抗議に出る。


『おい。ちょっと待てよ。この八百長野郎がっ。先週の腕相撲対決は完全にゆななが勝ってたんだからな。それなのにみーおんが乱入してぶち壊した挙げ句、ウソ泣きなんかしてピースに媚び売りやがって、クズだなぁ』
美音が痛いところを突かれたので、さーなんが対抗する。
『媚び売りなんて、よく言うやん。あの話はもう決着がついたんだから。それよりゆなな!あんた、何なの?いきなりとんでもないこと言い出して、ファンの人たちを混乱させて!何か言うことあるでしょ』
ゆななが言い返す。
 ( ❛ ڡ ❛ )はいっ。可愛い以外に取り柄が欲しいなって、最近思ってます。やり切ってないことがまだまだあるので、もっと頑張っていくでちょ』
『ふざけないでよ』
ゆななが珍しくさーなんに反撃する。
『さーなんだって、いろいろとファンの人たちを混乱させてるでちょ』
『私はもういいの!』
『何がいいんですかぁー』
『ともかくもういいの!ほっといて』
『ふぅーん。じゃあいいけど、今日はみーおんにも言いたいことがあるんだ』

ゆなながアドリブで自分に矛先を向けてくるので、美音はビックリした。ゆななはさーなんと仲が良くない設定でここまで来ているので、全く想定していなかった。それでもこの流れに乗らないといけない。


『私に言いたいことがあるって何?つうか、私が来月から総監督だって知ってるよね?』
言い返すゆなな。
『私とはギリギリ被らないから、総監督なんて関係ないでちょ。それより最近のみーおんって太ったよね。たるんでるんじゃないのー』


『何それ?先輩の私に向かって失礼じゃない!』
『先輩なんて関係ないでちょ。私が推測すると、最近グラビアをやってなかったり、白雪姫のドラマで脱ぐシーンがないから、油断してるんじゃないのー』
劣勢の美音だが、こんなこともあるだろうと予想して自分たちもいいネタを用意しているので、それを持ち出す。


『勝手に言ってればいいよ。でもこっちだって言いたいことがあるんだ。菅原ちゃんのけしからんエロ写真をいくつも見つけたんだ。ほら、これ!!』




スタッフに頼んでパネルにしてもらった写真を美音が次々と胸の前に掲げると、さーなんがすぐに突っ込む。
『これはエロいなぁ。ほとんど裸じゃない。菅原ちゃんがこんなグラビアを撮ってるとは思わなかった。プロレスを辞めてセクシーアイドルにでも転身するつもり?』
菅原が負けじと言い返す。
『エロいって言うな。ジワるでしょ。“さなみーおん”なんて身体を鍛えてないから、こんな綺麗なグラビアは撮れないくせに。何ならそれにサインしてあげようか』
『サインなんて要らない!それよりこうしてやるー!』
さーなんがパネルを雛壇の方へ放り投げてしまった。すぐに菅原とゆななが追い掛けて行き、そこで最初のCMが入った。


CM後は“さなみーおん”だけになっていて、美音が次のコーナーを仕切る。
『さてここからが今日のメインです!ミラクルトリップを発案し、「奇跡の少女」と呼ばれている桜花ちゃんが、地元の名古屋からスタジオに来てくれました!シャチホコセブンの番組に出た時に仲良くなった亜柚香ちゃんと、AIロボットの愛理ちゃんが一緒です。それじゃあ入って来てください!』
美音に促され、セットの裏で待機していた3人が姿を見せた。


◇続く