#2161『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2161『少女たちの聖戦11 トライアングルの行方』


ペガサスの前に立ちはだかったシャチホコセブンのメンバーを、亜柚香はサイコキネシスで1人残らず蹴散らした。これで目の前にいるのはビキニ姿のゆいちゃんずだけだが、ペガサスに乗れるのは自分を含めて2人だけなので困り果てる。もちろん今泉佑唯と一緒に乗りたいが、小林由依はゆいちゃんずだから今泉佑唯の次くらいにファンなので、これまで他のメンバーにしたようなことを今になって面と向かって出来ない。だがペガサスをゆいちゃんずに譲りたくはない。一方、ゆいちゃんずの方も困惑しているようで、3人が見つめ合う形になってしまった。

そんな状況の中で、普段から亜柚香が今泉佑唯を一番に慕っていることを知っている小林由依が、たまらず言い出した。
『私はいいから、亜柚香と今泉でペガサスに乗りなよ』
自分の希望が実現しそうな亜柚香だが、一度は遠慮しておく。
『う~ん。でも由依ちゃんはどうするの?』
『私のことは気にしなくていいよ。1人で帰るから…』
『そんな…』
『じゃあ、ゆいちゃんずで乗ってもいいの!?』
『えっ💦それはちょっと…』
『でしょ!だったら亜柚香と今泉で乗るしかないじゃん』
『うん。分かった。由依ちゃん、ごめん』
佑唯の方は複雑な表情をしている。

これでもういいだろうと亜柚香は決断した。ミラクルトリップの最中だということは、もはや頭から離れつつある。そしてペガサスの方に目を向けると、自分たちがモタモタしている間に2人の人物が忍び寄っているじゃないか。誰だと思ったら初夏(歌田初夏)とくれな(長 久玲奈)だ。初夏はビキニが恥ずかしいとためらっていたので砂浜に残してきたが、あのあと追い掛けてきたのだろう。今はパーカーを羽織っている。もう1人のくれなは、今までどこに潜んでいたのか分からない。それも水着ではなくTシャツにデニムの短パンだ。そんな2人にペガサスを横取りされてはたまらないので、すぐに亜柚香が注意する。
『ちょっと!なんであんたたちがペガサスに乗ろうとしてるの!アタシたちが最初に到着したんだから、ちゃんと順番を守ってよね!』
すると初夏が言い返してきた。
『順番って言うんなら、先にペガサスに乗ったもん勝ちだろー』
くれながそれに乗っかる。
『そうそう。油断していたら追い抜かれるんだからね』



2人の言い分を聞いて、亜柚香はイラッとした。ここまで来てペガサスを奪われる訳にいかない。説得など聞き入れそうにないので、自分が前に出てペガサスに乗ろうとした。ところがその時、ペガサスが軽く羽ばたいた。待ちくたびれたのか、この場所から羽ばたこうとする構えだ。



亜柚香が焦ると、小林由依が突然動き出した。初夏とくれなに体当たりを食らわせた。ケンカ慣れしている初夏でも不意を突かれて後ろに引っくり返ると、背は高いが華奢なくれなはもっと派手に転がった。亜柚香はこのチャンスを逃さない。ペガサスの翼を掴んで軽くジャンプし、背にうまく飛び乗った。ペガサスの首に触れてコンタクトを取ると、佑唯の横を走らせて声を掛ける。
『佑唯ちゃん!アタシの手をしっかり握って!』
佑唯が『分かった!』と答えたので、手を差し伸べてがっちり握り合った。すると佑唯もうまくジャンプして後ろに跨がった。これで全てうまく行ったなと亜柚香が思った時、ペガサスが一段と高く舞い上がったので、首にしっかりとしがみついた。佑唯が後ろからお腹に手を回してきて、同時にビキニの胸が背中に当たるので、胸が高鳴ってしょうがない。


◇続く