#1181『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#1181『トラブル・クレッシェンド84 豹変したヒロイン』


温厚で気配りが出来る女性だと思っていた古畑奈和が、『この糞ヤローがっ!うちらの劇団の良さは、PRなんかじゃ伝わらねえんだよ!』と、怒りのテンションでぶちキレた。その豹変ぶりにカレンが唖然としているので、今度はごりさが対応する。
『奈和ちゃん、いったいどうしちゃったんですか。少し落ち着いてください。別にPRじゃなくて、劇団のことを語ってもらっていいんですよ』
奈和はごりさの言葉にも、過剰に反応する。
『はぁー?てめぇ何だ?1度もうちらの舞台を観てねえくせに、調子に乗ってんじゃねぇ!さっき新公演の題名だって言えなかっただろー。とっとと消えな!』
『えっ…』
『消えなって言ってんのが分かんねえのかよっ、この役立たず!』

そこでついに奈和が行動に出た。ごりさのすぐ近くまで詰め寄ると、体当たりして突き飛ばしたのだ。呆気なく床に転がったごりさを見て、カレンは黙っていられなくなった。かつてはヤンキーとして暴れていただけに、全く臆することはない。
『もうーいい加減にしてください!ちょうど時間なので、奈和ちゃんにはここではけてもらいます!すぐスタジオから退場してください!』
応戦する奈和。
『退場するのはてめぇらだー。ここからこの番組は私が仕切る。さっさと出てけ!』

睨み合っている奈和とカレンだが、ついに奈和の方から先に手を出した。両手でカレンの胸付近を突いたのだ。少し後ろにのけぞったカレンだが、まだまだ余裕がある。そう来るならと、奈和が着ているワンピースの襟元を掴んでやろうと手を伸ばしたが、その瞬間自分の身体が宙に浮いた。気付いた時には、背中から床に叩き付けられていた。身を躱した奈和に、そのまま背負い投げのような形で投げ飛ばされたのだと分かった。身体の痛みよりも、この醜態がカレンにはとてもショックだ。



雛壇席で見ているピースは、とんでもないことになったと焦っている。ゲキカラさんは不敵な笑みを浮かべるだけで、止めに入る気配はない。元々この流れを作った張本人なので、仲裁に入るとは思えない。それでもこれが生放送の醍醐味でもある。あの古畑奈和が生放送で突然ぶちキレたと、話題になるのは間違いない。むしろおいしい展開だ。このまま行き着くところまで行けばいいと思った。するといつの間にか隣に座っている柴田阿弥が話しかけてきた。


◇続く