#267『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#267『ダースのお仕事⑪ トリゴヤと対面!』


ヤンキー高校同士のケンカを制圧した2人は、やっと公園をあとにした。

いろいろなことが起きたが、目的の場所はもうすぐそこだ。ダースはパルの変貌ぶりを確認するのが楽しみで仕方ない。

2人は「マジすか?チンチン電車」に到着した。土曜日なので既に開店しているらしく、正面の入口から入ってみた。
『こんにちはー。パルに会いに来たんですが、いますかぁ』
カウンターの自分と同じ歳くらいに見える女の子が、いぶかしそうな顔で返事をした。
『どちら様ですか』
『ダースです。パルはいますか』
『パルのファンの方ですか?』
ダースは自分がパルのファンに見えるのかと少しおかしくなったが、笑わずに答えた。
『いえ、違います。パルのダチです』
女の子はかなり困った顔になった。
『ここでパルに会うには、予約を取ってもらわないと無理なんです』
ダースは少しイラッとした。
『パルに会うくらいで予約が必要なのか』
『はい。今はそうなってます』
『パルに、ダースだって言ってもらえばわかるんだが…』
『まだパルは出勤してません』

その時、奥から別の女性が現れた。若造りした美人だが、どこか脳天気な雰囲気を漂わせている。
『どうしたの~。あら、あなたパルのお友達ね。パルを訪ねて来たんでしょ』
話が分かりそうな女性が現れ、ダースはホッとした。
『そうなんです!よく分かりましたね』
『あなた、パルやピースと同じ目をしている。大切な人に裏切られたことがある悲しい目よ。でもそれに勝る、とても強い輝きも秘めている。そこもあの2人と同じだわ』
ダースはこの女性に見つめられていると、心の底まで読み取られるような気がして思わず目をそらした。ヤンキーになって、自分から先に目をそらしたのは初めてだ。
これで短期間のうちにマジ女初代四天王と遭遇したことになるのだが、勿論それは知らない。

『パルはいつ来るんですか?』
『今日は18時からだから、その少し前に来るの』
『あいつ、そんなに売れっ子なんですか』
『そうよ。いつも30人の相手をしていて、今日も予約はいっぱいよ』
『18時から30人!?』
『ええ。いつも頑張ってくれてるの。中には握って離さないでってお客さんや、口でもイッてってお客さんもいるんだけど、全てに応えてるの』
ダースは今さらながらに、パルに対して敬意の念を持った。


◇続く