Hiram Bullock | Tomoya Fukuchi's Official blog

Tomoya Fukuchi's Official blog

音楽、楽器のことやら普段の活動やら....を中心に書いています。

Hiram Bullockというギタリストに出会ってからどれくらいの月日が経っただろう...。
それまでに出会ってきたギタリストとは明らかに異質な感じだった。

一般的には、Mike SternやJohn Scofieldのようなウネウネ系フレーズとはまた違った....なんて表せばいいんだろう...フラフラ?ユラユラ?なフレーズが良く知られていると思う。
だけど、最初に魅力を感じたのはそこじゃなかった。

 

躍動感のあるカッティングに聞き惚れたなぁ...。
誰かのアルバムのライナーノーツに書かれていた「Mr. SIDEMAN」という言葉が最初だった。この言葉にはしびれたなぁ。
リードギターとサイドギターというような役割分担がされていて、そういった呼び方がなされていたんだけど、サイドギター(バッキング担当)って呼び名が縁の下の力持ち的な感じでカッコよく思えた。

自分的には、Hiramの魅力はバッキングワークにあると思っている。
オレが、カッティングやバッキングワークに魅力を感じたのはNile RodgersとHiram Bullockの影響が大きい。

 

Nile Rodgersに関しては、またいつか書こうと思います。
Hiramのギターは、時に歌に寄りったり、鼓舞したり、やりすぎなくらいオブリを入れたり...。
“あ、Hiramが弾いてるな。”とわかるような独特なボイシングでのコードワークだったり、躍動感のあるシングルノートだったり。
ライブで観る彼と同様“自由人”的なバッキングをする。

共演者も多種多様な人やジャンルに関わっている。
一番よく知られているDavid SanbornやBob James、Marcus Millerのようなフュージョン系からGil Evans、Carla BleyやSteve Swallowのような難しい音楽を奏でる人からも重用されていた。Steely Danでも使われていたね。
All Musicで参加アルバムを見れるけど、本当に幅広い。

Hiram Bullock - All Music


一方で、ボーカリストからも高い評価を受けていて、Billy Joel、Phylis Hyman等、多くのボーカリストに愛された。
日本では当山ひとみさん、Smappiesでの演奏で聴くことができまるね。
Billy Joelの時はさすがにユラユラ揺れるコーラスサウンドではなかったけど。(笑)
サポートミュージシャンって言うのは、メインの楽器を輝かせてナンボだと思うんだけど、Hiramのギターはメインも自分も輝いちゃう稀有な人だった気がする。

ただ、Hiramを意識し始めたのは日本の企画で生まれたバンド“24丁目バンド”だった。
このバンド、ウィルリー、スティーブジョーダンも在籍してたスーパーバンド。楽しそうな演奏でキラキラして聴こえたなぁ。。。

 

 

あと、Sting のアルバム“Nothing like the Sun”に収録されているJimi Hendrixの曲をカバーした“Little Wing”のソロはハイラム史上上位に入る気持ちの入りっぷりだったと思う。

 

 

彼らにとってJimiは特別な人なんだろうな。

Hiramについて書くとキリが無くなってしまう。(笑)
H-S-Hスタイルのギターを使った彼のギターには本当に憧れる。
実は、昨年末にAki's Guitarでギターを作ってもらう際も、最初にH-S-Hにしたいってお願いしたくらい。
オレの想いは見事に諭され、現在に至るが、ギターサウンドの方向性は同じ。
“高い次元でギター本来の音がする普通のギター”
これってあるようで少なくなった。

だれが弾いても同じクオリティの音が出せて、同じように弾けて、同じ色で、、、、。
こんなのシンセと同じじゃん。
木を使っていて、人間が仕上げてるんだからそれぞれが違う音するのは当たり前な気がするんだよね。
だし、上手い人が良い音を出せて、上手く弾けない人はそこを目指す...っていう方が自然な気がする。
ダイナミクスもへったくれも無いギターって弾いてても体に返ってくる感触が生な感じしないし。
良く弾けばいい音出てくれるし、そうでなければ“それは違うぜ”ってギターが教えてくれる。
だから相棒なんじゃないか。(笑)

さて、良い音出せるように頑張ろう。

 

もうHiramの新譜を聴くことができないのが残念だ。