絲山秋子 / 中央公論新社


 とにかく気になる過激なタイトルに惹かれました。


 精神病棟から逃げ出した二人の男女のお話で、しょっぱなから「資本論」の幻聴が闊歩するわ主人公は博多弁でまくしたてるわマニアックな精神薬物名がやたらに飛び交うわなかなかに濃い一冊。

 主人公の置かれた状態だけとれば重く苦しいもののはずが、軽快な一人称とどこか間の抜けたキャラクターがポップな印象をつけていて健全な印象。さらりと読めてしまうページ数も一息入れるような感覚で良い感じです。

 博多や名古屋や東京に思いいれのある人もない人も、是非。おすすめです。


絲山秋子 逃亡くそたわけ