舞城王太郎 / 講談社ノベルス
第十九回メフィスト賞受賞作。
アメリカサンディエゴERに勤務する外科医・奈津川四郎。
実家の母が生き埋めにあったと聞いた彼が日本福井西暁に戻ってきた瞬間、壮絶な血族物語が幕を上げる。
奈津川家シリーズ一作目にして舞城王太郎デビュー作。久しぶりに読みたくなって本棚から引っ張ってきて見ました。
思わず目を瞑りたくなるほどの暴力と暴力にサンドされながらも、まっとうで正常で真理に近い愛が確固とした位置を築いて描かれているのが舞城作品の常であると思うのですが、やっぱりこの話が原点だよなぁと思います。なんていうか本当好き。
ミステリというよりは、素直になれずに駄々をこねながら暴力に走った愛すべきマザコンファザコンブラコンな男たちの話。
というと見も蓋もないような気がするのですが、たぶんそんなに間違ってない(笑)。
だって根本にあるのは愛なのだもの。
毎度の事ながら素敵でかわいくて格好よくていとおしいあの兄弟をつなげているのは結局、愛なのだもの。どれだけ理不尽な暴力で支配する父親にも、やっぱり向かう感情は愛なのだもの。
だって家族からは逃げられない。
奈津川の血は深いな。
舞城 王太郎 煙か土か食い物
右は文庫。装丁はノベルスの方が好きです(蛇革…v)

