重松清 * 新潮社


イジメをテーマにした短編集。

痛い。まさしくナイフのように突き刺さる、鋭利でただ冷たいだけの、けれど今は『よくある』、『些細な』、問題。

イジメを描いた作品は数多くありますが、これは作者の描写力もあって実に落ち込む。生きることに嫌気が差すし、気持ちが悪くなるし、過去の色々を思いだしては、また嫌悪感に包まれる。

それでも作品はそれぞれに希望を持たせています。だから救われるかどうかは別として、読後感は良い。みんな少しずつ、前に進んでいる。


重松 清
ナイフ