あさのあつこ * 講談社 青い鳥文庫


留衣ファンには待望の、彼を中心とした物語。やっぱ頭いいです、この子。

今度の舞台は江戸時代。フリーマーケットで見つけた不思議な箱に連れ去られてしまった留衣。タイムスリップとか平気でしますけど、SFライトミステリだから大丈夫なんです。

あさのさんの作品はお姉さま方にウケるものも多いですが、蘭ちゃんのシリーズは不思議な力を持った、けれど普通の二人の女の子のお話です。だからこそ、青い鳥文庫という媒体で子どもという読者に向けて語りかけるように、友情や愛情を分かり易くも正論である理論を含んで描いてゆけるのだろうなぁと思う。

その中で今回、消えた留衣に対して描かれている蘭の感情は、一般的な中学生が好きな男の子に向ける普通の恋心でありながら、とても深くて暖かい。留衣の大人っぽさもあるのだろうけれど、このふたりはやはりずっと一緒にいてほしいなぁと思うのでした。微笑ましいというには、かなり成熟した恋愛をしているのだもの。


あさの あつこ
時を超えるSOS―テレパシー少女「蘭」事件ノート〈4〉