小路幸也 * 講談社


「いつかおまえの周りで、誰かが『のっぺらぼう』を見るようになったら呼んでほしい」

姿を消した兄の残した謎の言葉。20年前にカタカナの町で起こった真実と人々が『のっぺらぼう』に見えてしまう少年の見たもう一つの世界を描く、第29回メフィスト賞受賞作。

ノスタルジック……。ミステリーランドで刊行されていてもおかしくないような雰囲気でした。ミステリーよりもホラー、ファンタジー色の濃い作品だと思います(が、メフィストなので義務的にミステリ区分…)。

昭和30、40年ほどの独特の雰囲気は懐かしく、(知らなくたって懐かしさはあるのです。不思議…)、小学校五年生の夏、突然人々が『のっぺらぼう』に見えるようになってしまった、という設定に、いったいどういう回答が用意されているのかわくわくしながら読みました。

結果の方は、展開が段々と早足になって行ったこともあって大喝采を贈れるものではなかったのですが、それなりに納得。続編があるそうなので、そちらも是非読みたいと思います。


小路 幸也
空を見上げる古い歌を口ずさむ