青木和雄 * 金の星社


11歳の誕生日、「生まれてこなければよかった」という兄のひとことから声をなくしてしまった少女・あすか。田舎の祖父母の元で自分自身を見つけ出したあすかは、新しい生活環境のなかで「自分は自分として生きる」と心に刻み、強く成長してゆく。

うーん、感動、というほどの強い衝撃はありませんでした。アダルト・チルドレンである親に支配された理不尽な家庭環境は現実に存在するし、硬く心を閉ざす子どもも多い。だからこそのリアリティであるはずなのだけれど、しかしどうも、弱く感じました。

簡単に言うと、大人はそんなに簡単に戻ってこない、と思ったのだと思う。

あすかが苦しんで、苦しみを乗り越えてゆく姿は理解できる。けれど、両親側の心情がほとんど描写されていないためか、どうも都合が良すぎるような気がしてならないのです。無理矢理なハッピーエンドに見える。

とか思っていたのですが、加筆修正版もあるのですね。そちらでは母親の心情を加えて大人向けになっているそうなので、次は是非そちらを読んでみようと思います。


青木 和雄, 加藤 美紀
ハッピーバースデー―命かがやく瞬間